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ソディック、生分解プラの生産性向上へ

薄肉深物も安定成形が容易に

 ソディックは生分解性プラスチックの生産性向上を目的に、eV?LINE(イー・ブイライン)電動射出成形機「MSシリーズ」に搭載できる、不活性ガス溶解射出成形システム「INFILT?V(インフィルト)」を開発し、11月より発売した。INFILT?Vシステム装置一式の定価(税抜、成型機本体は含まず)は1650万円から。
 自然界の微生物により分解される生分解性プラスチックは、廃プラスチックの利用率の低さや海洋プラスチック汚染の問題の解決策として、さらなる利用拡大が期待されている。生分解プラは溶融したときの粘度が高く、加工の困難さが課題だったが、新開発のINFILT?Vが樹脂材料の粘度を低下させる可塑剤の役割を果たし、従来は薄肉成形が困難であった生分解性プラの成形加工を容易に実現できるようになった。
 INFILT?Vは、樹脂材料の金型に充填する射出プランジャから不活性ガスを直接注入する新たなシステム。可塑化部と射出部を分離したソディック独自のV?LINE方式と組み合わせることで樹脂材料を安定して計量・射出でき、不活性ガスの溶解による樹脂材料の粘度低下現象がコントロールしやすくなった。
 生分解性プラスチックを樹脂材料に用いた実証事例では、肉厚0.4?_、全長105?_のコップ形状の薄肉深物成型品を、充填不足によるショートショットを発生させずに安定成形することを実証した。

20201210日号掲載)