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ダイキン工業、JIMOTOF2026に後付け可能な油状態センサ

投稿日時
2026/09/29 14:08
更新日時
2026/09/29 14:11
後付け設置に対応した「油状態センサ」。油の劣化や水分混入を色相値で判定する。判定によってLEDライト(機械中央)が緑・黄色・赤と点灯するため、経験や言語によらず適切な交換のタイミングが分かる

色相で劣化度を判定、人の目から「デジタルの目」で点検工数削減

来月開催されるJIMTOF2026で、ダイキン工業油機事業部は作動油の劣化や異常を、定量的かつリアルタイムに把握する「油状態センサ」を新商品として前面に打ち出す。現場の点検工数削減と予防保全強化のニーズに応え、単体で後付けできる独立型製品として4月に発売開始した。人手不足やベテラン保全員の減少に悩む製造現場に対し、従来の「人の目」による感覚的な点検から「デジタルの目」による定量化・連続監視へのシフトを促し、メンテナンス時期の適正化と設備の突発停止防止を支援する。 

工作機械や産業機械における油圧トラブルの多くは、作動油の劣化や異物混入に起因する。ゴミの侵入、ポンプ・バルブの熱による酸化、添加剤の変質やスラッジ化など劣化リスクは常に付きまとう。日常点検はタンク内の油面計やサンプル油の目視確認が一般的だが、周囲の明るさや作業員の技能レベルで判定にバラつきが生じる。また、油圧タンクが機械の裏側にあるなどそもそも確認しづらい場所に設置されている場合もあり、点検作業が作業者の負担となっていた。 

人手不足の中、どうしても予防保全に時間を十分に割けず、故障後の修理対応という「モグラ叩き」に追われる現場は少なくない。「定期交換では、使用可能な油を捨てる過剰メンテナンスや、逆に劣化が進んで機器不具合を引き起こすリスクがあった」と奥田浩一営業部長は現場の実情を話す。 

油状態センサは、油の劣化に伴う濃淡変化を色規格「ASTM D1500」に準拠した色相値(1・0〜7・0※小数点第一位はダイキンが補完する参考値)として高精度に数値化。判定結果は本体のステータスLEDで緑(正常)・黄(劣化)・赤(信号異常等)と表示され、経験や言語によらず一目で状態を把握できる。  さらに水分混入も検知可能。結露や油クーラーの破損による水分混入は潤滑性を低下させ、ポンプの焼き付きなどを引き起こすが、初期段階の外観判定は難しい。油状態センサなら水分混入による白濁傾向も検知できる上、しきい値超過時はデジタル信号により表示灯などを点灯させることもできる。

■既存設備・ラインへの後付けが容易に

「開発で最も重視したのは導入ハードルの低さ」だと奥田営業部長は語る。大型タンクや油圧装置自体の更新は多額の投資と工期が必要になるが、本製品は作動油の戻りラインや冷却・フィルタリング回路など低圧ラインに単体で設置できる。他社製ユニットや稼働中の既存ラインへ容易に追加できる点が最大の特徴だ。

デジタル連携機能も充実させた。本体前面のUSB TYPE-CポートからPCに接続し約1・5年分(1時間周期取得時)のデータログ抽出や設定が行える。M12コネクタ経由でPLCへ伝送すれば、工場全体の集中管理にも活用可能。設備停止時には過去データを遡り、急激な劣化等の変化点解析や原因究明を迅速化できる。 

IPMモータを活用したハイブリッド油圧ユニットでCO2削減や省エネに貢献してきた同社。数多くの現場に向き合ってきた中で「保全負担の軽減」と「設備の安定稼働」のニーズをくみ取り、本製品を開発した。

「会場では油状態センサのデモに加え、メンテナンスを年1回に低減する長寿命フィルタ『ラクフィル』、ハイブリッド油圧ユニット『エコリッチ』、各種オイルコンを展示し、製造現場の課題に対するトータルソリューションを提案する。実機デモで状態変化に応じた『一目瞭然のデジタルの目』を体感してほしい」と奥田営業部長は呼びかける。

ダイキン工業油機事業_奥田様.jpg

ダイキン工業油機事業部 奥田 浩一 営業部長



(日本物流新聞2026年9月25日号掲載)