空調空冷服商戦が早期本格化
- 投稿日時
- 2026/04/09 12:59
- 更新日時
- 2026/04/09 13:03
日新被服、独自の「トルネード風」でより涼しく
夏本番を前に、暑熱対策商品などの夏商戦は早くも本格化している。空調空冷服市場も拡大する中、繊維の街・岡山県倉敷市児島に本社を置く日新被服の「TORNADO RAKAN(トルネードラカン)」が、現場から着実な支持を集めている。同社の桑田充啓営業部部長と伴野良彰課長に、今期の見通しや製品のこだわりを聞いた。
「昨年は6月頭に空調空冷服の在庫が底をついた。例年にない早さだった」と、日新被服の桑田充啓営業部部長は昨夏の夏商戦を振り返る。昨年6月に熱中症対策が義務化されたが、多くの現場が法改正を知ったのは施行間際だった。その結果4月~5月に夏物商材の需要が爆発。その余波は今も続き、「昨秋からの早期注文や販売店の在庫確保など、昨年以上に動きが活発」という。
空調空冷服の主力ブランド「トルネードラカン」最大の特徴は、竜巻状に広がる風の動きだ。桑田部長は他社との違いを「扇風機とサーキュレーター」に例える。「ピンポイントに強い風を届けるサーキュレーターに対し、扇風機は広範囲に風を送る。空調空冷服は冷やしたい身体がファンの目と鼻の先のため、サーキュレーターのような『直流風』を送っても涼しさが局所に留まってしまう」
対してトルネードラカンは扇風機のように広い範囲に送風するため、自然と風が体全体を循環し、首元へしっかり抜けていく。服の中の空気が絶えず入れ替わり、隅々まで冷やす仕組みだ。使用者から「トルネードラカンは実際の風量より、涼しく感じる」とよく言われるそうだ。この評価が特長を端的に物語っている。
空調空冷服は近年、バッテリーの高電圧化が加速しているが、同社はあえて20Vや15Vを維持。優先したのは実用的な持続時間だ。「高電圧モデルの多くは最大出力の稼働時間が限られ、自動でパワーが落ちることが多い。しかし現場は途中で風が弱まることを望まない」と伴野良彰課長は指摘する。15Vの場合は終業までの約8時間を最大出力のまま維持できるため、予備バッテリーも不要。この「コスパ」が、現場に選ばれる重要な要素となっている。
■溶接現場へ防炎空調服
繊維の街・倉敷市児島で長年作業服を手がける同社。「当然生地にこだわりはある。だからこそラインナップの半分は通常の作業服と同じ生地を採用し、違和感なく空調空冷服へ移行できる」と桑田部長は言う。
残り半分は軽さや遮熱性に特化した素材を揃え、用途に応じた選択が可能に。なかでも造船などの溶接現場向けに展開する難燃素材の「防炎加工」モデルは、火花が散る環境の暑熱対策に欠かせない製品だ。「特殊な用途ゆえ競合も少ない。大口注文が年々増えている」という。
昨夏の品薄の反動もあり、今期の商戦は4月時点で本格化している。「今夏の在庫も完売するだろう。ぜひ早めに動いてほしい」と桑田部長は呼びかける。
メンテ請け負います
日新被服の空調空冷服が今年、メンテナンス領域で進化した。ファンとケーシングを分離できる構造を採用。空調空冷服は一夏使えばファンが油や埃で汚れ、故障の主因となる。「特に油を使う現場はまめな拭き掃除で寿命がかなり伸びる」。清掃しやすい分離型の採用を増やす構えだ。さらに「メンテナンスパック」も開始。シーズンオフに製品を預かり、清掃・点検・バッテリーの通電管理を代行するサービス。「数百、数千着を抱える工場は管理負担も重い。不具合次第では部品交換で済む場合もあり、合理的に長く使える」とユーザーの利便性を高める。
(日本物流新聞2026年4月10日号掲載)