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ブラザー工業、大型ワーク対応新5軸横形MC

投稿日時
2025/12/25 15:58
更新日時
2025/12/25 16:00

ブラザー工業(株)

欧州、中国市場狙う

ブラザー工業は、12月17日に開催された自社展にて、多面加工が必要な大型・長尺ワークに対応する新型の横形5軸マシニングセンタを発表した。省スペース設計と高速工具交換能力を実現し、EV部品をはじめとする大型ワークの加工ニーズが高まる欧州や中国市場を狙う。

参考出展された新横形MCHU550Xd1-5AX」は傾斜ロータリーテーブルを搭載し、割り出し5軸制御を実現。従来の40番横形マシニングセンタと比較して設置スペースを約20%削減したコンパクト設計ながら、直径680㍉、高さ400㍉という広い治具エリアと最大積載質量200㌔を確保した。30番機でありながら大型ワークにも対応できる加工能力を備え、5軸加工による工程集約を実現する。

高速加工を支える工具交換システムは、ダイレクトATC方式。30本工具マガジンは350ミリ工具に対応可能で、工具間交換時間1.1秒、チップ間交換時間22秒と非切削時間を大幅に短縮する。また、A軸には2基のモーターによるタンデム制御を採用。大型傾斜ロータリーテーブルのねじれを抑制することで、A軸、B軸共に割り出し時間1.2秒を実現した。

HUシリーズは、セールス好調なUシリーズの機械幅を維持しながら、4軸横形の「Hシリーズ」を5軸化する形で開発された。長尺ワークに対応することで切り粉排出性も高く、大型ワークとの相性が良い。省スペース性を保ちながら、EV部品対応のニーズに応える設計となっている。

星真専務執行役員は「欧州や中国からの顕著な切削ニーズに対応した製品。アルミ系はもちろん鉄系も削れるので、国内でも量産加工から多品種少量生産のジョブショップまで様々な加工現場で活躍できる」と自信を示した。来春の上市に向け開発を進めている。

(日本物流新聞20251225日号掲載)