切削工程での検証進める
オーエスジーは、今春から植物由来の廃食用油を利用した加工の実証試験を開始している。タップの生産拠点「八名工場」で実施中。前工程の荒ねじ転造加工などでテストし、今後切削工程での検証を進める予定だ。
愛知県豊橋市に本社を構える斎藤塗工店のテスト依頼に応える形で、工場の一部を利用して実験を開始した。八名工場で製造技術を担当する乗松顕太朗氏によると、「各種改良を重ねながら、実証実験を進めるなかで、現在のところ結果は良好。加工における工具品質にもとくに問題はない」という。
廃食用油から不純物を取り除き、複数の廃食用油などを混ぜ合わせることで、日本産業規格(JIS)に適合する潤滑油として利用する。鉱物油に比べて、若干コスト増になるものの、鉱物油より油の引火点が高いため燃えにくく、火災発生リスクも低くなるという。
このプロジェクトを推進する大沢二朗常務執行役員は、「安価で大量に使用している鉱物油にすべて置き換わるということは難しいが、今後、鉱物油の使用を少しずつ減らし、廃食用油の再生利用を進めることで、環境にやさしい取り組みに挑戦したい」と語った。
(2021年10月10日号掲載)