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猛暑対策展、水冷服や遮熱、スラリーに高関心

水冷服「ダイレクトクール」

 「猛暑対策展」(主催:〈一社〉日本能率協会)が726日までの3日間、東京ビッグサイトの東展示棟1?7ホールを使って行われた。労働安全衛生展などが併催される中、ひと際大きな人垣を作った。暑さ対策製品への関心の高さがうかがえた。
 街中でも見かけるようになったファン付きウェアを筆頭に夏の暑さをしのぐ作業服への関心は高い。3年前から水冷服を展開しシリーズ累計8万着を売る山善は、4月発売の首と脇を重点的に冷やす水冷服「ダイレクトクール プレミアム」を出展。既に2024年モデルは完売済みと人気の程が窺い知れる。同社・家庭機器事業部商品企画3部の俣野剛志部長は「工場や鉄道の整備など他の暑さ対策ウェアを試してダメだった現場からもお声かけいただいている」と手ごたえを話す。
 電気代抑制などのため工場や倉庫向けの遮熱・断熱ツールを展開する企業からは、「空調設備の見直しの前に、まず遮熱・断熱対策を行ってほしい」という声が聞こえた。遮熱塗料や断熱材など様々な対策製品が並ぶ中、施工性の高さを売りにするのがサンユー印刷の遮熱シート「キープサーモウォール」。屋根からの輻射熱を約97%反射させることで、未施工時と比べて5℃以上の室温低減効果がある。取り付けも梁内寸に合わせて作成した特注シートを吊下げ金具で止めるだけと省施工。同様の技術を用いた遮熱性と採光性を両立した窓貼りシートなどにも注目が集まった。
 労働安全衛生の観点から作業者を守る技術への関心も高い。シャープは体を内側から冷やすアイススラリーを簡単に作ることができる「アイススラリー冷蔵庫」を参考出展。アイススラリーは微細な氷と液体が混合した流動性のある氷で、氷が解けるときに体の熱を奪うため、飲料水よりも短時間・効果的に体を冷やすことができる。庫内を氷点下5~7℃に保つ冷却制御が肝で、氷にならず液体の状態を保つ過冷却の状態を作り出す。ペットボトルを強く振るなどの刺激を加えることで、一部が氷へと結晶化しアイススラリーとなる。「想像以上に関心が高く、会期中はペットボトルを振り続けた。来夏の上市に向けて開発を進めていく」(同社担当者)。
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シャープの「アイススラリー冷蔵庫」



2024810日号掲載)