揺動切削OP対象拡充
中村留精密工業は、複合加工機7機種に揺動切削機能をオプションとして搭載する。追加されたのは「JX?250」「NTJ?100」「NTRX?300L」などで、搭載可能機種は計14機種となった。
揺動切削は、サーボ制御により切削工具を振動させ、切粉を細かく分断させる加工方法。刃先が揺動することで空振り領域が生じ、切粉が切れる仕組みとなっている。切粉の絡みつきを防ぐことで、切粉の排出性を向上させ、不良・機械停止時間の削減が可能に。NCオプションを搭載すれば、Gコードでのプログラム指令だけで活用できるのも利点だ。
同社によれば、揺動切削機能がもともと自動盤を中心としていた技術だったことから、「『NTRX?300L』などの最大径が600?_メートル以上の大型機への搭載は、世界でも先進的な事例」という。
大型機、小型機にかかわらず発生する切粉巻き付きのトラブルのなかでも、ATC付きの工作機械はアラーム停止などのダウンタイムに結びつく可能性が高い。同社はその点に着目し、「より長時間の自動化を想定した機械だからこそ、搭載するメリットが大きい」と考え、実験を繰り返してきた。
今回の搭載機種拡大にあたって、「実加工実験を行い、部品の寿命低下などのリスクも含めて検証した。その結果として、リスクは想定よりも少なく、さらに条件の調整によってもリスクを抑えられることが分かった」とコメントしている。
(2021年9月10日号掲載)