外観検査との紐づけも
パナソニック(スマートファクトリーソリューションズ社)は、統合溶接管理システム「iWNB」を発売した。同社製ロボットと専用パソコンをネットワークで接続し、収集したデータから稼働状況の可視化、品質向上、トレーサビリティ強化にむすびつける。月額サービスとして展開する。
電流、電圧、ガス流路、ワイヤ供給速度など、約50種類のデータを吸い上げる。システム構築にあたって、ソフトウェアがインストールされた専用パソコンを使用。パソコン1台あたりロボット32台まで接続できる。ユーザー側で複雑なセットアップの必要がなく、ロボットとパソコンの設定だけで完了する手軽さが特長だ。
KPI、生産進捗確認、異常履歴など、要望に応じた解析画面を用意した。設備の能力が一目で分かるOEE(総合設備効率)の表示も可能。生産ラインで異常が発生したときはメールで知らせる。
溶接品質の向上にも結びつける。溶接プログラムごとの結果を一覧化するほか、ワークの溶接実績と波形データなどを合わせて管理することでトレーサビリティを確保する。LINKWIZとの協業で今年5月から提案し始めた外観検査ソリューション「Bead Eye」との紐づけも今秋予定している。
設備停止時間の最小化を図る手段として、停止要因の順位、ロボットのモータ負荷率、溶接用チップの消耗傾向を表示する。異常発生要因を推定し、予防保全を図るのが狙いだ。しきい値の設定に通知機能も備えている。Webアプリケーションを採用し、同じネットワーク上のクライアントパソコンからアクセスできるようにした。
パナソニックの樋口泰行専務は、「当社製ロボットであれば、すべての機種が対象。フルデジタル溶接機との接続もできる。お客様の現場によって目指すことが違うので、希望小売価格、月額料金ともにオープンとしている。建設などの屋外向けのシステムについても、来春めどに投入していきたい」とコメントした。
(2020年8月25日号掲載)