スター精機、販売好調のパレタイザーを自社展で披露
- 投稿日時
- 2025/05/21 09:00
- 更新日時
- 2025/05/21 09:00

多関節ロボによる段ボール組立も
スター精機は4月22~24日に大阪市城東区の大阪支店でプライベートショーを開催した。同社の主力は射出成形機の取り出しロボットだが、近年は「直交ロボット総合メーカー」を掲げパレタイジングロボットやガントリーローダーも展開。同展でも各種直交ロボットや、グループ企業のロボットSIer・スターテクノが開発した多関節ロボットによる段ボール組立システムを披露した。
同社は射出成形機の成形品を取り出す直交ロボットを世界で初めて量産し、累計24万台超を出荷している。ロボットは部品の削り出しから内製。ロボットハンドのパーツも「アインツ」ブランドで1600種超を展開しておりカスタマイズ性やコスト面で優位性が高い。会場で見せた取り出しロボ「IXW︱800SVIP」は、金型から取り出した成形品のゲートカットとラベル貼り付け、カメラ検査まで複数工程を1台で自動化。園部秀樹常務取締役は「デモは成形品の取り出しだが、非常に精度が厳しい金型のインサートも担える」と話す。
直交ロボットを用いたロボットパレタイザーも見せた。ストロークアレンジが可能な「PXW」と箱型で高さ約2㍍とコンパクトな「PXT」を連携させたデモを披露。ワーク寸法などを入力するだけで動作教示が不要になる独自ソフト「パレタイザーエディター」も紹介した。営業担当の塩谷宥太氏は「パレタイザーは発売から約3年だが販売実績が非常に好調に伸びている」と言う。
「特に好調なのはコンパクトなPXTで、キャスター付きで移動もできる点は当社の特権。協働ロボのシステムより価格が大幅に安い」。引き合いは「とんでもなく多い」とし、「2×2×2㍍程度のスペースで設置できるため、大掛かりな設備の導入を前提としておらず建屋の天井高が低い食品工場で納入事例が多い」と好調さをうかがわせた。
3月にスターテクノが発売した多関節ロボットを用いた段ボール箱自動組立システムもあった。ロボットが箱を掴んで組み立て、顧客の要望に応じた形でテープ貼りまで行う。サイズ内の段ボールなら寸法を入力するだけのティーチングレスで組立が可能だ。
塩谷陽一社長は「長らく取り出し工程の自動化を手がけてきたが、新たな分野で製品開発を進める方針だ。パレタイズの前工程では空き箱を組み立て、箱の中に商品を詰める必要がある。一連の流れに人手を介在させないために我々の出番だ」と、物流分野のさらなる強化に前向きな姿勢を見せた。
(日本物流新聞2025年5月15日号掲載)