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マイクロフレグランス「香り」で環境改善 

投稿日時
2025/11/27 10:04
更新日時
2025/11/27 10:11
サービスは月額のサブスク形式でイニシャルコストがかからず、「AirQ270」(最大適応体積約72畳・右)と「AirQ580」(同約144畳)の2種類から選べる。

広範囲・長時間持続する超微粒子に消臭効果も
建設・製造業注目

オフィスや工場の共有エリアで「香り」による働き方改革や健康経営が広がっている。清潔感のある空間演出や集中、リラックスなど香りの効果や効能は様々だが、建設業や製造業では消臭目的が多いという。

米・ProliTEC社によるマイクロフレグランスは、香料の原液をボトルの蓋の部分にある特許機構により超微粒子化して噴霧できる。遠くまで拡散し、大きな空間でも均一にアロマを変質させることなく香らせられる。「粒子が細かいため2mまでの高さなら地上に落ちるまで14時間ほど空中に漂う。従来のエアロゾール粒子は重く半径2~5mほどで落ちてしまうが、エアコンや換気扇、人流による空気の流れで運ばれ、少量の香料で広範囲にいきわたり香りの持続性も高い」とマイクロフレグランスによる企業向けディフューザーサービスを取り扱うHANAイノベーションの近藤祐司代表取締役は説明する。

安全性に配慮した合成香料で調合されており、国際香料協会の基準や米国有害物質規制法、米国カリフォルニア州と環境保護庁(EPA)による揮発性有害化合物(VOCS)への規制をすべてクリア。「天然香料だと精油成分によってはアレルギーを起こす人もいるが反応が出ない香料を使用している」。

また、特許消臭剤を配合している点も大きな特長。汗やたばこ、ディーゼルや燃料の臭いなどの粒子に付着して分解。悪臭を改善する。「鼻の粘膜にフレグランスの粒子が付着し悪臭をキャッチしにくくなる」というマスキング効果を含むW消臭により消臭効果を高める。

「建築現場では新築の時に使う接着剤の香りや、工場独特の油臭を消したいというお客様も増えている」

■国内の「香り」市場広がる

日本では2009年から販売開始、導入され始めたと言うが「当時、香りの市場がほぼ存在しておらず日本は『無臭文化』とされていた。柔軟剤の香りや消臭スプレーが認知されはじめマーケットが広がった」という変化を受け、順調に売上は伸びていたがコロナ禍にホテルなどでの需要が激減。しかしコロナ禍後はオフィス向けの売上が大きく上がったという。近藤代表は「長期間付けていたマスクを外し、においに敏感になったのでは」と推測する。

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鹿島建設 執務室の導入風景。広い空間でも遠くまで香りが届く

鹿島建設では関東支店の執務室に設置。工事現場にある現場事務所でも、女性の現場監督や作業者が増えていることから、汗のにおいなどを消臭する目的で導入されている。トヨタ車体ではオフィス内のエレベーターホールに置き、働きやすい職場づくりのと来客のおもてなしとして活用。「人手不足解消や離職率を下げるために現場の環境改善に力を入れる企業は増えており、まず香りの部分から改善に手を付けるケースは多い」と言う。社員がくつろぐ場所の改善ニーズも多く、観葉植物やフレグランスを活用しリラックスを促す。「中小企業でも、若手の経営者の方は香りに改善意識が高い傾向がある」。

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トヨタ車体 オフィス内のエレベーターホール。多くの人が行き交う場のもてなしにも

香りをキャッチする能力には個人差があるため、良い香りであっても刺激になってしまうことも。その場合は設置時「レベルを最弱にして敏感な方の基準をもとに空間をつくっていく。『鼻慣れ』してくれば徐々に上げていく」と調整を行う。

(日本物流新聞2025年11月25日号掲載)