富士フイルム、韓国・平澤に半導体材料新工場
- 投稿日時
- 2024/08/20 18:00
- 更新日時
- 2024/08/22 12:35
現地企業へのデリバリーを強化
富士フイルムは6月中旬、韓国・京畿道南部の平澤市で建設していた先端半導体材料の新工場が竣工したと発表した。
同工場は、富士フイルムにおける半導体材料の韓国現地法人であるフジフイルム エレクトロニック マテリアルズ コリアが建設。イメージセンサー用のカラーフィルター材料「COLAR MOSAIC(カラーモザイク)」を中心とした生産を行う。本格稼働は2024年12月となる。
イメージセンサーは近年、自動車の自動運転や、監視カメラをはじめとするセキュリティ機器、AR/VR機器などへの用途拡大が進んでいる。市場調査会社「テクノシステムリサーチ」は、イメージセンサー市場は2030年までに年率約7%成長すると試算している。
同社では現在、イメージセンサー用カラーフィルター材料を静岡と、台湾の新竹で生産している。また、熊本の半導体生産拠点においてもカラーフィルター材料の生産設備導入を進めるなど、生産拠点を拡充している。
平澤市は、先進技術を有する企業や半導体関連企業の集積地であり、一大サプライチェーンが形成されている。同社も韓国の半導体企業に供給中のカラーフィルター材料を、今後は韓国国内で製造しクイックデリバリーを実現する。
「新工場には、今後最先端の製造設備や品質評価機器を導入し、既存の静岡拠点・台湾の新竹拠点や2025年春稼働予定の熊本拠点と同様の生産・品質保証体制を構築することで、BCP対応をさらに強化。より安定的な供給を実現し、トップメーカーとしての供給責任を果たしていく。また今後、新工場においてほかの先端半導体材料の生産を行うことも検討し、顧客ニーズにあった製品のタイムリーな市場導入を加速させていく」(同社)
(2024年8月10日号掲載)