最新機械でモノづくりの先端を「体感」
DMG森精機は奈良女子大学と2022年3月に締結した包括協定のもと、工学や女性活躍をテーマに次世代の教育課題に取り組む。
昨年4月に女子大学で日本初の工学部を開設した奈良女子大学で、同社社員が講師を務める講義を実施。「大学での高度な専門教育と、製造業の現場の技術を結びつける」ことをテーマに提供する。
カリキュラムは「先端設計生産工学概論」(必修)の座学と、実際に設計し生産、評価手法を習得する「実習?T」(選択授業)。7月25日に、実習?Tの全8回の講義の第7回目となる講義を報道向けに公開した。
「設計と開発、生産技術に加え先端技術もバランスよく備えた、国内を牽引する女性技術者を育成したい。大学で学んだ知識が製造現場でどう活かされるのか体感できることを目標に講義内容を定めた」とDMG森精機アカデミー部長の小林龍一氏はカリキュラムの意図を説明した。
講義を履修している17人の学生の一人の徳田仁美さん(工学部2年)は「女子大学はみんなでやっていこうという協力的な雰囲気が魅力。実習では学んできた物理現象が身近に感じられる貴重な経験。建築を学びたくて入った大学だが、講義を通して機械についても興味がわいた」と明るく話す。
24年10月からは「実習?U」として自動化や金属積層などの先端技術を盛り込む発展的な実習を予定している。
「多くの工学部では大学入学時から専攻分野を選択するが、奈良女子大学工学部では入学してから進路を考えられるようにして女子学生が学びやすい環境を工夫した。DMG森精機との連携が、主体的に課題解決できる人材育成につながれば」と同大学学長補佐(女性エンジニア育成担当)長谷圭城工学部教授は期待を語る。
(2023年8月10日号掲載)