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新光機器、耐久最大40倍のコンタクトチップ

投稿日時
2025/10/10 09:00
更新日時
2025/10/10 09:00

新素材で長寿命・低コストに

新光機器(名古屋市)は9月、特殊な銅合金の採用で耐久性が従来比で最大30~40倍(平均約10倍)向上した「FX-DSコンタクトチップ」を発売した。耐久性は高いが価格を比較的安価に抑えており、交換頻度を低くすることで溶接ロボットの停止時間を短縮し生産性を高められる。資源の有効活用にもつながりそうだ。

コンタクトチップはアーク溶接時にトーチ先端に取り付ける部品。溶接中の通電で軟化するため摩擦による消耗が激しく、交換頻度の高さが生産性や資源の浪費の観点で課題だった。そこで同社は先端に特殊金属を使い従来比で平均40倍の耐久性を持つ「ZMコンタクトチップ」を開発したが、従来のコンタクトチップと比べ価格が高い課題があった。FX-DSコンタクトチップは従来の銅合金より硬度が高いコルソン系合金を採用し、かつ素材の供給元メーカーを新規開拓することで価格を比較的安価に抑えたという。

採用したコルソン系合金に含まれるケイ素の作用で、従来の銅合金よりスパッタ付着率が低下する利点もある。同社はこの製品をベースにさらなる性能アップに向けた開発を行い、主力の自動車産業に加え橋梁や造船業界への進出も目指す考え。

(日本物流新聞2025925日号掲載)