三菱電機、学習データ9割減らせるAI開発
- 投稿日時
- 2026/01/14 09:19
- 更新日時
- 2026/01/14 09:21
【写真左】同予知保全・健全性診断技術グループの栗山俊通マネージャー
機器劣化を高精度に推定
三菱電機は12月10日に都内で開いた説明会で、少量の学習データで機器の劣化を高精度に推定するAI「Neuro-Physical AI」を開発したと発表した。このAIは機器の物理モデルの理論式を用いてあらかじめ対象機器の挙動や特性について学習したうえで推定する。同社製のロボットやFA機器を対象に2027年以降に製品化し、将来的には他社製機器も対象にする考え。
工場稼働を止めないよう近年、予防保全のニーズが高まっている。だが、運転パターンや個体差、設置環境などの条件の組み合わせを考慮して網羅的に学習するには、膨大なデータが必要となる上、条件が変わるたびに再学習を要する。発表したAIは同社が17年から進めるAI技術「Maisart(マイサート)」の1つで、Mitsubishi Electric Research Laboratories(米マサチューセッツ州)と共同で開発。個体差や環境条件など従来の1割の学習データで推定性能は3割向上する。三菱製の空調機の省エネ制御(従来AIに比べ学習時間98%減)や産業用ロボットの動作ティーチング(人手に比べ調整時間90%減)で予測・制御の効果を確かめた。三菱電機情報技術総合研究所AI研究開発センターの毬山利貞センター長は「物理モデルをAIに組み込むことは世界で行われているが、実際の製品に適用した例はほとんどない」と言う。
(日本物流新聞2026年1月10日号掲載)