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スギノマシン、カエリ取りをティーチレスでロボ化

投稿日時
2025/12/08 09:00
更新日時
2025/12/08 09:00
カエリ取りシステムの前に立つスギノマシン・代表取締役社長の杉野岳氏(左)、マキノ・代表取締役の牧野拳一郎氏、スギノマシン・執行役員 RI事業部長の大西武夫氏

1日300品種超の少量多品種生産に挑む

スギノマシンはレーザー加工や穴抜き加工時に発生するカエリを自動除去するロボットシステムを開発し、精密板金メーカーのマキノ(東京都町田市)に納入した。

本システムはスギノマシン独自開発のロボット「CRb」と3Dビジョンカメラ、オフラインシミュレーションソフト「CROROROS」などで構成される。複数台設置した3Dビジョンカメラがワークの設置位置や種別、表裏などを判定。作業者は作業指示書に添付された二次元コードを読み込んだ後に、吸着パッドが設置された作業台にワークを置くだけで、真空吸着で固定されたワークをロボットが自動で加工する。ワークごとに教示をしたり、専用の治具を用意する必要がない。

導入したマキノは「少数多品種の即日板金」を得意とし、ロットサイズが1~4個のワークを1日に300種類超生産する。同社・代表取締役の牧野拳一郎氏は「2006年に町田に移転して以降、小量多品種の製品加工のDX化・自動化を推進してきた。生産品種数やお客様の数が増える一方で、お客様ごとの仕様を覚えたり、教育が難しくなってきた」と導入の背景を語る。

現在、対応可能な製品は同社でカエリ取りが必要なものの内の約8割に及び、リピート品についてはほぼ全てが本システムで加工されている。牧野氏は「円形内部や長尺ワークの処理は、人の作業より均一性が高い」と品質面でも優位性があると評価する。

スギノマシン・代表取締役社長の杉野岳氏は「様々な技術を融合した現段階での一つの到達点」としたうえで、「技術があっても、そこに現場のノウハウがないと本当の意味での製品にならない。我々ではわからないところをマキノ様のところで経験させていただいた」と感謝を述べた。

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マキノでは3つの作業台を並べる。画像処理技術により2つの作業台を跨ぐ長尺ワークにも対応可能にした



(日本物流新聞20251125日号掲載)