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食品大手6社、設備データ標準化に協力

投稿日時
2025/10/30 10:00
更新日時
2025/10/30 10:00

7月、食品大手6社は、食品製造業の生産設備が持つ多様なデータを効率的に収集・活用するため、設備データの標準規格化を目指す「生産設備データ標準化コンソーシアム」を立ち上げた。音頭を取った味の素グループの味の素食品・DX推進部 変革推進グループ長の海老澤明彦氏が、10月8日まで東京ビッグサイトで開かれた「JAPAN PACK 2025」内で背景や狙いを語った。

同社が標準化に乗り出したきっかけは、「ほんだし」新工場(三重県四日市市、2020年稼働)のスマートファクトリー化の取り組みだ。ほんだしや味の素など年間8000㌧生産する同工場に包装工程を集約したうえで、従来比約2倍の労働生産性を実現するため、ICT・自動化設備の活用度を一層高めた。

「当初はそこから生産ビッグデータを集めて徐々に改善していく予定だったが、取得できたデータ量が圧倒的に足りなかった」(海老澤氏)
 そこで現場を一から見直し、特に現場作業者の負担となっていた帳票記録から工場全体の分析などにも使える「APPLE(Ajinomoto Packaging Performance LEading system)」を開発・導入し、大幅な業務改善を実現。既に42ラインで導入し、27年度まで横展開を続ける予定だ。

一方、この横展開時にハードルとなるのが、生産設備からのデータ収集作業。メーカーや設備ごとにPLCのプログラムが異なるため、そもそもデータを収集できなかったり、データの意味が異なる場合が散見される。現状、ラインごとにデータ収集プログラムを作成しており、エンジニア0.5~1人月の確保が必要となっている。

こうした課題は業界共通との認識から本コンソーシアムを設立。現在は包装機械を中心にデータ仕様と通信方式の標準化を進めている。海老澤氏は「余計な開発コストを削減し、業界の持続可能性を高めたい」とまとめた。

(日本物流新聞2025年10月25日号掲載)