30番で難削材加工と工程集約
ブラザー工業(マシナリー事業)は12月7日から2日間、刈谷工場内のテクノロジーセンターでプライベートショーを開催した。今秋開かれたメカトロテックジャパン2021で好評だった提案から、難削材加工、工程集約、自動化などに焦点を当てた。
小型マシニングセンタ「SPEEDIO」のフルラインナップ12機種を並べた。主軸30番機で需要が高まっている難削材加工に対して、高剛性モデル「F600X1」によるテストカットを実施。インコネル、ステンレス(SUS316L)、炭素鋼を順番に削って見せた。そのほかにも、チタン、ニッケル、プリハードン鋼などでも高能率加工ができるデータも示し、「30番機で無駄なく削れる」点をアピールした。
工程集約では、X軸1000×Y軸500?_の移動量を持たせたワイドストロークモデル「W1000Xd1」を提案した。治具1台にアルミ鋳物のEV用インバータケース2台を載せたデモ加工は、オーエスジーの切削工具を使用。高速M8、φ63?_フライス、φ3?_溝、φ12仕上げなどの工程を見せた。
ブラザー工業のスタッフによれば、「40番機に近い加工ができるので無駄が省けて省エネにもなる。トラック用エンジンヘッドカバーや自動車用フレームといった大物ワークの1個取りだけでなく、中物ワークの2個取り、円テーブルを使った多数個取りなど、大きな加工エリアを生かした幅広い治具構成ができる」という。
会場入口付近には、新型数値制御装置「CNC?D00」のシミュレータを設置した。すべての操作の起点となるホーム画面を新設。残加工・経過時間、ワークカウンタ、プログラム、工具寿命などを一度に表示できるのが特徴。「量産時に必要な情報を一元化できるうえ、画面をカスタマイズすれば、さらに使いやすくなる」とした。
(2021年12月25日号掲載)