NKE、新型エアチャック
- 投稿日時
- 2025/09/30 09:14
- 更新日時
- 2025/09/30 09:16

「日本初」という革新的機構
軽量化と高把持力を両立
搬送機器や自動化機器の設計・製造・販売を手がけるNKE(京都市)は、産業用ロボットや自動化ライン向けに新型エアチャック「Ultra Force(ウルトラフォース)シリーズ」を開発し、9月1日に発売。型式は「CHPS360-80」と「CHPS360-40」で、価格はそれぞれ23万8000円、22万8000円(税抜)となる。
同製品は、把持性能を示す指標「GPI(Grip Performance Index)」で従来比3倍以上の性能を達成し、業界最高水準を実現。ロボット可搬質量の制約や省エネ需要といった製造現場の課題に応える。さらに「価格は従来機の半額に抑えられ、コスト面でも導入しやすくなる」(同社)とし、次世代のスタンダードとなることを目指す。
最大の特長は、日本初(同社)という特許技術「シーケンスシリンダ機構」の搭載だ。1つのポートによるエア駆動で2段階の動作を実現し、把持開始時は小シリンダで省エネ動作、把持後は大シリンダで強力なグリップを発揮する。この仕組みにより「小型・軽量」と「高把持力・省エネ」を両立。エア消費量やCO2排出量も約半減し、現場の生産性向上と環境対応を両立する。
性能面でも進化は顕著だ。従来機3950グラムに対し、CHPS360-80は1580グラムと約3分の1に軽量化。本体の小型化も進み、設置スペースの自由度が向上した。軽量化によりロボットの可搬能力に余裕が生まれ、より重いワークの取り扱いが可能になる。動作時の慣性も小さく、停止時のブレを抑制できるため、タクトタイム短縮にも寄与する。また、小型ロボットでも使用できるため、ロボットの初期投資コストを抑えながら自動化を進められる点も大きな魅力だ。
一方、エア消費量やCO2排出量を半減したことで、エネルギーコスト削減に加え、ユーザー企業のESG評価向上にも貢献。省スペース化と工程効率化を支える設計は、自動化投資における新たな選択肢となりそうだ。
同社は「Ultra Forceシリーズ」を、自社の軽量・高出力アクチュエータ技術の象徴と位置づける。製造現場における省人化・省エネ化を後押しする次世代モデルとして、国内外の自動化市場に提案していく構えだ。
(日本物流新聞2025年9月25日号掲載)