AGV使い5軸機を年1千台製造
DMG森精機は欧州最大の生産拠点であるドイツ・バイエルン州のフロンテン工場(従業員約1500人)に新設した「monoBLOCKエクセレンスファクトリー」の稼働を始めた。自動化・デジタルソリューションを活用し、5軸制御マシニングセンタmonoBLOCKシリーズの生産工程を革新したという。
新設した広さ4千平方?bのエリアに無人搬送車(AGV)によるライン生産を導入。AGVは毎分45ミリの速さでレールなしに次のステーションへ機械を自動で移動させる。生産は組立から基本精度、カバー取り付け、品質検査まで全34工程のライン生産で行う。同社は「AGVの導入により従来10日以上かかっていた1台あたりの生産リードタイムが7日に短縮し、生産性が30%向上した。これにより年間生産能力は従来の600台から1000台に拡大した」と言う。
製造現場の生産性をデジタル化で支援するアプリケーション作成プラットフォーム「TULIP(チューリップ)」も導入した。プログラミングの専門知識が不要で、現場作業者は直感的に作業手順書や検査・品質管理、機器モニタリングなど独自のアプリケーションを作ることができ、加工機や計測機器、既存システムなどとも連携するという。
(2020年11月10日号掲載)