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水回りトラブルは都市部と寒冷地に集中、トイレ・キッチンに偏り

投稿日時
2025/08/07 09:00
更新日時
2025/08/07 09:00

全国約9千件データから

ライフメディア事業を行うBESTは、運営する水回りトラブルの相談対応において収集したデータ(20231月から20253月に同社サービスに問い合わせのあった9929件のデータ)を集計・分析。水回りトラブルにおけるトラブル内容や発生箇所に関するデータを79日に公開した。問い合わせは都道府県別で最も多いのは東京都。一都三県や東海、近畿の大都市圏が目立つ結果になった。どのエリアでもトイレとキッチンが多い傾向にあることも分かった。


データの調査から、最も多くの水回りトラブルの相談が寄せられた都道府県は「東京都」だった。次いで、神奈川県、愛知県、大阪府といった都市部が上位にランクインしており、いわゆる「一都三県」や、東海・近畿といった大都市圏での相談件数が目立つ結果となった。

「都市部では集合住宅が多く、建物の築年数や配管の老朽化、また使用頻度の高さからトラブルが起きやすい環境にあることが一因と考えられます」(同社)。人口に比例してトラブル件数も多くなっていることが分かる。

こうした傾向は、「人が生活する場所には必ず水回りトラブルのリスクがあるということを物語っています」分析。「水回りトラブルは、誰にとっても身近で避けがたい問題であり、自分の生活の中でも起こりうることとして備えておくことが重要です」とした。

都道府県をエリアごとに分類し、問い合わせ件数を集計したところ、最も多かったのは「関東甲信地域」。東京都・神奈川県を含むこのエリアは、人口密集地でありながら、古い住宅や集合住宅も多いため、水回りの設備トラブルが発生しやすいと推察される。

次点には「近畿地方」がランクインし、大阪府や兵庫県を中心とした地域からも多くの相談が寄せられていた。全体として、人口の多さとトラブル件数には一定の相関が見られ、都市部におけるインフラ老朽化の影響が浮き彫りとなった

一方で、人口10万人あたりの問い合わせ数で比較すると、秋田、新潟、長野が上位に。降雪地帯、寒冷地で高い傾向が明らかとなった。

総件数では関東甲信や近畿地方が目立つ一方で、人口10万人あたりの問い合わせ件数を都道府県別に比較したところ、最も多かったのは秋田県。次いで新潟県、長野県という結果。上位には他にも富山県、山梨県、北海道など、冬季の寒さが厳しい地域が並んでおり、寒冷地では水回りの凍結や破裂といったトラブルが発生しやすい傾向がある。

■自力修理で、被害拡大も

また、これらの地域では古い戸建て住宅が多く、配管が屋外を通っていたり、設備の老朽化が進んでいたりするケースが多く、生活インフラとしての水回りに不安を抱える世帯が相対的に多いことも背景にあると考えられる。

発生場所別に分析したところ、どのエリアでも共通して「トイレ」と「キッチン」に関するトラブルが全体の大部分を占めていた。特に、トイレに関するトラブルは4050%と非常に高い割合を占める。

「これらの場所は家庭内での使用頻度が高く、経年劣化や詰まり、水漏れなどの不具合が起こりやすいため、全国的な共通課題といえます。一方で、エリア固有の発生場所というよりは、日常生活の中でよく使う箇所でのトラブルが大多数を占めている点も特徴的です」とする。

また、トイレ・キッチンの水回りトラブルに対しては、「応急処置のつもりでご自身で対応を試みるケースが多く見られます。しかし、配管や接続部などの内部構造が複雑な箇所では、見えない部分に問題が潜んでいることもあり、かえって被害が広がってしまう事例が後を断ちません。特にトイレとキッチンは生活インフラの中心であるため、不具合が起きた際に早期に専門業者に相談することが、被害を最小限に抑えるポイントとなります」とする。

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(日本物流新聞2025725日号掲載)