無人運転を安心・確実に
松浦機械製作所は7月2~4日、福井県の本社工場で自社展を開催した。昨年リリースの新オペレーティングシステム「MiOS 4(Matsuura integrated Operating System)」を搭載した5軸立形マシニングセンタ「MXシリーズ」と、その上位機種「MAM72シリーズ」を多数展示。ユーザーの7割を占める多品種少量生産を念頭に、同社機の特長である長時間無人運転におけるミスの防止や効率化につながるMiOS 4の機能を紹介した。
多品種少量生産では生産品が日々変動し、飛び込みの特急依頼もある。生産品目も多く、段取りをいかに効率化しつつミスを防ぐかが生産性を左右する。
これに対しMiOS 4は、加工プログラムや作業指示書などワークごとの付帯情報をすべて紐づけた「プロジェクト」を千件まで保存可能。数年ぶりの注文でも必要な加工データを一括で呼び出し、ミスを抑え正確に段取りできる。プロジェクトはパレットごとに4つ登録でき、有効/無効を切り替えることで治具はそのままに加工内容を変える柔軟な運用も可能という。
予定した加工の完了時間を可視化する機能も盛り込んだ。スケジュール運転前に計画に無理や過剰な余裕がないかを確認することで、最適な稼働が可能に。突発依頼で計画に変更が生じてもスケジュールを柔軟かつミスなく修正できるようにもなる。さらに段取りの漏れを防ぐ機能を搭載。加工プログラムの設定や工具の不備など、無人運転に必要な段取り項目を一度に自動で確認可能とした。人的ミスで運転が止まる事態を防ぎ作業者のストレスを軽減。長時間無人運転の不安を解消し、安心して機械の稼働率を高められる。
MiOS 4の搭載機種は順次拡大中。担当者は「ユーザーの声を元に開発した。画面デザインも一新し徹底的に多面パレット用に作り直している。使いこなせば確実に可能性が広がる」と力を込める。会場ではMiOS 4を操作し運転完了時間の算出や段取り漏れのチェックなどを実演。工場内も案内し、高精度な機械づくりのこだわりや同社自身が長時間無人運転を実践し生産性を高めていることを示した。
(2024年7月25日号掲載)