安全・安心な普及を目指す
長谷川工業は7月1日、同日施行された道路交通法改正に合わせ、特定小型原動機付自転車(特定原付)タイプの電動キックボード「KS6 PRO」を発売した。電動モビリティの世界販売1位のYADEAと協働で、保安基準の全ての要件に適合した日本仕様として開発した製品。
KS6 PROは新設された特定原付に区分されるため、従来の一般原付と異なり運転免許の取得やヘルメットの着用義務がなくなった。また、基準を満たした機体であるため、自転車が走行可能な歩道でも利用可能。導入ハードルが下がり利用拡大が期待される。一方で、歩道走行時は最高時速を20?`から6?`以下へと落とすことや、その状況を明確に示す必要があるなど、要件が厳しく複雑である。長谷川工業はこれまでも一般原付区分の「KS5 PRO」の販売や千葉市や大阪市などでの実証実験、安全講習会の積極的な実施などに取り組んできていたことから、法改正施行前の適用へと至った。
安心・安全な製品設計だけでなく、乗り心地の良さも追求しており、前輪へのサスペンション搭載や1回の充電で航続距離60?`、モーター出力は500?h、登坂能力15度と、坂の多い日本の街乗りでも十分な性能を有している。価格(税込)は19万8000円。
6月27日に都内で行った報道陣向けの説明会・試乗会で、長谷川泰正社長は「YADEAはどの地域でも電動モビリティ分野のシェア3割を狙っている。日本国内でもナンバー取得した適切な機体の中においては、そこを目指して取り組んでいきたい」と電動キックボードの普及に向けて意気込みを語った。
(2023年7月10日号掲載)