災害時の子どもへの声かけに「自信がない」保護者6割超
- 投稿日時
- 2025/08/29 08:00
- 更新日時
- 2025/08/29 08:00

明光義塾調べ
毎年9月1日は「防災の日」、そして8月30日から9月5日は「防災週間」として、全国的に防災への意識が高まる時期。学習塾「明光義塾」を全国展開する明光ネットワークジャパンは、小学1年生~高校3年生の子どもを持つ全国の保護者1100人を対象に、「子どもがいる家庭の防災に関する実態調査」を実施(7月30日~8月1日・ネット調査)。7割以上の家庭が自宅周辺の災害リスクをハザードマップで確認済みだったほか、災害時の子どもへの声かけに「自信がない」保護者が6割超いたことが分かった。
災害時に子どもへ適切な指示ができる自信があるかについて調査を実施すると61.0%が「自信がない」(自信がない12.2%、どちらかといえば自信がない48.8%)と回答。一方、「自信がある」と答えた保護者は39.0%(自信がある8.4%、どちらかといえば自信がある30.6%)に留まった。「多くの保護者が、災害時に子どもへ適切な指示ができるかに不安を感じている実態が明らかになりました。防災対応に向けた意識づけや準備の必要性がうかがえます」(明光ネットワークジャパン・以下同)とした。災害時に子どもへ適切な指示ができる自信がないと回答した保護者671人を対象に、その理由を調査したところ、最多回答は「実践経験がない(42.8%)」、次いで「家族訓練をしていない(34.6%)」、「パニックになりそう(34.0%)」と続いた。「具体的な備えやシミュレーション不足が不安の背景にあることがうかがえます」とする。
自宅周辺をハザードマップで確認した経験があるか問うと、70.3%が「確認したことがある」、29.7%が「確認したことがない」と回答しました。家庭によって防災意識に差がある実態が浮かび上がった。
■家庭の防災費用、「5000円未満」が最多
防災関連にどれくらいの費用をかけているかについては、最多回答は「5000円未満(32.8%)」、次いで「5000円以上、10000円未満(19.0%)」、「10000円以上、30000円未満(15.7%)」と続いた。また、「わからない」と回答した保護者も16.1%にのぼった。
「防災への関心は高まりつつある一方で、支出額は比較的抑えられており、1万円未満にとどまる家庭が過半数を占めています」とした。
災害時の安否確認方法について、子どもと事前に話し合いや共有をしているか調査をしたところ、53.2%が「共有していない」(まったく共有していない16.1%、あまり共有していない37.1%)と回答。一方、「共有している」と答えた保護者は46.8%(十分に共有している7.8%、ある程度は共有している39.0%)にとどまった。
子どもの防災意識についてどのように感じるか調査したところ、38.6%が「防災意識が低い」(防災意識が低い12.0%、どちらかというと防災意識が低い26.6%)と回答。一方、「防災意識が高い」と答えた保護者は26.9%(防災意識が高い4.7%、どちらかというと防災意識が高い22.2%)にとどまり、「どちらでもない」とする回答も34.5%あった。「子どもの防災意識に対して、家庭内での関心や理解を深める必要性がうかがえます」とする。
子どもは災害時に適切な避難行動をとれると思うか調査したところ、56.3%が「とれないと思う」(まったくとれると思わない13.8%、あまりとれると思わない42.5%)と回答。一方、「とれると思う」と答えた保護者は34.9%(とれると思う5.4%、ある程度とれると思う29.5%)にとどまった。「多くの家庭で子どもの避難行動に対して不安を感じている家庭が多いことが見て取れます」とした。
明光義塾の江藤佳弘近畿中四国カンパニープレジデントは「私は熊本地震を経験しています。地震が発生した際は、ちょうど夜21時過ぎ、生徒が教室にいる時間帯でした。一瞬で電気が消え暗闇の中、本棚から本が飛び出しガラスの破片があたり一面に散らばる中、大切なお子さまたちを安全に保護者の方へお引き渡しするまで深夜におよんだ経験から、本棚の転倒防止措置、緊急避難場所の教室内への掲示と保護者さまへの連絡などを徹底しております」とコメントした。
(日本物流新聞2025年8月25日号掲載)