JIMTOFや欧米展に出品
牧野フライス製作所は8月29日、片持ちのロータリーテーブルながら4軸制御機同等の機械剛性をもつ5軸制御横形マシニングセンタ(MC)「a500iR」の販売を同日開始したとウェブで発表した。省人化・工程集約にこれまで以上に対応した機種として、今月開かれるIMTS(米・シカゴ)、AMB(独・シュトゥットガルト)、11月のJIMTOFに出品する。
本体構造は同社の部品加工機として長年の出荷実績をもつa-nxシリーズの構造を採用。旋回範囲をマイナス110度~+180度まで広く確保したB軸ロータリーテーブル上にC軸ロータリーテーブルを搭載する。加工反力を効率的に受けるスラントコラム構造との組み合わせにより、「4軸機同等の加工精度と俊敏な動作をもつ。競合は少ない」と言う。
扱えるワークの最大径は900㍉(従来機の1.3倍)、最大高さ600㍉(1.5倍)、最大積載質量400㌔グラム(2.7倍)に拡大。主軸は毎分1万4千回転までの立ち上がり時間を従来より0.4秒短い1.2秒に短縮し、高速回転時の出力は40%高めた(2万、2万4千回転主軸も順次加える予定)。航空機、自動車、半導体製造装置分野での長時間連続運転を想定し、標準で工具収納本数を30本多い90本に増やした。
加工中のパレットをテーブルが垂直に把持する機械形態だが、別室ではパレットは水平状態となるため段取りしやすい(500㍉角のパレットは標準で2枚)。環境負荷低減のためのソフトウェア機能を標準搭載する。軸移動量X900・Y750・Z800㍉。販売価格は7500万円で年間販売30台を計画する(出荷開始は来年2月)。
高剛性な機械構造
(2024年9月10日号掲載)