人型ロボットが巨大歯車市場を生む?
- 投稿日時
- 2026/02/17 09:00
- 更新日時
- 2026/02/17 09:00
使われ始めたPEEK材
ヒューマノイドロボットが登場したことで歯車に注目が集まっている。
「ヒューマノイドの肩・腕・胴などすべての関節は減速機で構成されている。歯車技術の集大成になるのがこのロボットの世界と言える」
(一社)日本歯車工業会が1月16日に都内で開いた新春講演で、会員である清和ジーテックの達俊彦社長がそう話した。「人型ロボットの初期のタイプで0.09ほどの歯車モジュールが遊星ローラースクリューなどの減速機1ユニットに十数個組み込まれている。減速機はヒューマノイド1体に150~300個の歯車が必要になる。テスラが2027年に100万台のロボットを生産するとしており、それだけで歯車の数としてはミニマムでも1億5千万個。巨大な歯車市場が誕生する」
達社長が注目するその歯車の材料がエンジニアリングプラスチックのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)だ。ヒューマノイドの構成部品に多くのPEEKが使われており、減速機のギヤにも使われ始めたと言う。「航空機での材料革命がCFRPであったようにロボットでPEEKが革命的な材料になる」
PEEKは丈夫で過酷な環境で使えるのが特長。250℃に耐え、酸・アルカリ系溶剤に強く、金属を代替できるほどの剛性をもつ。電気絶縁性がよく生体適合性も高いので、中国では自動車、半導体、医療機器などに使われているという。
加工機、切削工具、測定機などを含め小型歯車を量産できる体制を整えることが必要になる。「切削工具に関しては中国は先を行っている。参入障壁が低いこともあってモジュール0.1や0.15を対象とするメーカーは何十社とあり、顧客の要望への対応が早いと聞く」
日本の生産財メーカーには技術力とともにスピードがますます求められる。
(日本物流新聞2026年2月10日号掲載)