高生産性の横形MCに注目集まる
ブラザー工業は5月11、12日に刈谷工場内のブラザーテクノロジーセンターにおいて、新製品発表会を開催。同社産機プライベートショーとしては過去最高となる845人が来場した。
昨今、ユーザーニーズが高まっている「大物、 長尺ワーク」加工の実現と、さらなる工程集約を掲げた新製品3機種に、多くの来客が足を止めた。なかでもひときわ注目を集めたのが、「SPEEDIO」シリーズ初となる横形マシニングセンタ「H550Xd1」。機械幅1557?_、奥行き2990?_とコンパクトな設置スペースながら、Φ600?_×580?_の治具エリアは、工具退避などにより、Φ800?_まで拡大が可能。これまでの30番主軸MCでは不可能だった大物ワーク加工を実現する。
新開発の30本工具マガジンは、加工エリアとマガジン搭載場所を分離し、最長250?_、最大径125?_、最大重量4?`の工具を搭載可能とした。デモ加工では大型ワークの穴あけ加工などを披露。横形ならではの切りくず排出性の良さや、高速での工具交換をアピールした。
「当社MCの強みは機電一体開発による圧倒的な高生産性。低慣性主軸、高加減速主軸モータによる主軸の起動と停止の高速化やイナーシャ推定機能、ATCの高速化、最適化などタクトタイム短縮にとことんこだわっている。横形ならではの加工トラブル減少や段取り替えを低減でき、多面イケールを使った複数同時加工なども高効率で行える」(同社)
ワイドストロークコンパクトMC「W1000Xd1」は、従来モデル同様のX軸移動量1000?_、Y軸移動量500?_ながら、Z軸移動量を80?_プラスした380?_に拡大。テーブル積載量もプラス100?`の500?`に増加したことで、大型治具の搭載や大型部品加工を可能にする。
「従来の14本マガジン、21本マガジンに加えWシリーズでは初の28本マガジンが搭載可能となった。大物部品加工はもちろん、多数個取り、小物部品まで多様な加工に対応できる」(同社)。
コンパクトマルチタスクマシン「M300Xd1」は、旋削・マシニングの複合加工から多面加工まで可能な複合加工機の新モデル。広い加工エリアと28本マガジンを搭載し、従来モデルと比較して、加工可能な対象部品の種類が増えた。さらに複合加工に加え同時5軸加工に対応した「M300Xd1-5AX」も上市。複雑形状ワークの高精度・高速加工を実現する。
(2023年5月25日号掲載)