2日で700人超来場
安田工業は4月19、20日にかけてプライベートショーを岡山県の本社工場で開催した。2018年以来、5年ぶりとなる自社展には2日間で約700人が来場した。従来の顧客に加え、これまで同社製加工機を未導入のユーザーにも門戸を拡げ、昨年のJIMTOF2022で披露した機種を中心とした展示が行われた。
多くの来場客が足を止めたのは、高精度のプレス金型やプラスチック金型向けのベストセラー機「YBM Vi40」をサイズアップした「YBM Vi50」。新たに専用設計された機体には同社の独自のダイレクトドライブやプリロード自己調整型スピンドルを採用。Y軸にはサドル方式を導入し、主軸ヘッドのコンパクト化とサドルを軽量化し、低重心化を実現した。
また加工時の熱変異対策として、テーブルユニットに室温に対して±0.2度に同調させたクーラントを循環させ、温度変化に左右されない高精度加工を可能にする。
同社の安田拓人社長は、「昨今、自動車業界ではEV化で求められる車体の軽量化に伴い、パーツの一体化を目指した大型かつ高精度の金型需要が増加傾向にある。そうしたニーズに応えるのが『YBM Vi50』。大型機でも精度を最優先した作り込みを行っており、昨秋のJIMTOF以来、多くの引き合いを頂いている」と自信を見せる。
筐体を一新し2022年のグッドデザイン賞を受賞した「YBM640V」にも注目が集まった。「デザインだけではなく、従来機よりメンテナンス性を大幅に向上したのもポイント。長時間の安定した高精度加工を実現するとともに、現場オペレータの負担を軽減する」(同社)。
その他、大容量ATCとAPCによって長時間の連続加工、多数個・多品種部品生産に特化した5軸MC「PX30i」や、ニーズが急増している高精度歯車加工に最適なCNC歯車成形研削盤「GT30」なども展示された。
「YBM Vi50」によるダイカスト金型(軽自動車用シリンダーブロック)
(2023年5月15日号掲載)