自社展で披露、複合機との融合も
オークマは、NC装置で操作できるロボットシステム「ROIDシリーズ」のラインナップを拡充した。11月15日までの3日間、本社工場で隔年開催している展示会では体験コーナーを設け、アームの経路生成からパルスハンドルによる微調整まで専用スキルなしで扱える手軽さを説明した。
工作機械の加工室内にロボットを組み込んだ「ARMROID」は、ワーク着脱からビビリ抑制、切粉除去、機内清掃までできるのが特徴。シャフトに加えて、フランジ形状のワークも対応可能とした。今回、新型ロボットも開発。可搬重量を従来機比2倍の10キログラムに、ワーク寸法も直径80×長さ480ミリ(シャフト)まで引き上げた。
ターニングセンタに加えて、複合加工機「MULTUS B250?U」との組み合わせもスタートさせた。複合加工機との完全融合は世界で初めてという。直径150×厚み30ミリのフランジワークを50個保管できるストッカも用意したことで、5時間程度の自動連続運転を可能にした。スタッフによれば、新工場「Dream Site3」(岐阜県可児市)で直径140ミリの丸棒切断材からの全加工を実証試験したところ、20時間の無人運転、機械前作業の65%削減ができたという。
ワーク搬送に特化したロボットセル「STANDROID」は、対象製品を2機種から立形マシニングセンタ「GENOS M560?V」などの7機種に拡充した。周辺機器も充実させており、表裏2工程の自動化対応が可能なワーク反転、NGシュート、品質チェック、刻印マーカをメニューに揃えた。
体験コーナーでは、来場者がNC装置内のロボット操作ツール「ROID Navi」とパルスハンドルを操作。ガイダンスに従って始点と終点を入力すれば、「ぶつからない最適動作経路を自動生成できる」点を体験した。
マーケティング室の前川久好室長は、「ロボットによる自動化提案が増えるなかで独自性を出していく必要がある。工作機械と同じ操作感覚で導入へのハードルを下げたい」と話していた。
(2019年11月25日号掲載)