精度への影響を徹底排除
日本電産マシンツールは、門形マシニングセンタの上位機種「MVR?Hxシリーズ」をラインナップに加えた。熱変位せず使いやすい機械をコンセプトに開発した。主軸の熱伸びを抑える軸心冷却機能、環境温度変化を受けにくい主要構造体などの対策を施している。
コラム門幅2050~4250?_まで5機種をラインナップした。金型などの高い面品位が求められる加工から一般部品加工、重切削まで、「あらゆる素材、幅広い加工に応える」という。主軸を内部から冷やす軸心冷却機能を標準装備。毎分8千回転の高速時でも工具の先端位置を安定させ、仕上げ時における工具間段差を3・5ミクロン以下に抑えた。
重切削の加工領域となる毎分4千回転では、ギア駆動主軸(オプション)の採用により、最大トルク3430N・mの加工が可能に。高トルクでも安定した加工ができるように、主要構造体に鋳物を採用した。早送り速度(Y軸35?b×Z軸20?b)は「業界トップクラスを誇る」という。
熱や経年による加工精度への影響を徹底的に排除する工夫も凝らした。温度制御媒体を封入したサーモスタビライザコラムの採用、クロスレールの断熱対策、各軸の位置決めを行うスケールの最適配置、空間誤差補正機能などを盛り込むことで、機械の姿勢の正確な把握を可能にした。
操作盤の可動範囲を広くして、加工点に近い場所で操作できるのもポイント。操作支援機能「NidecNavi」、IoTプラットフォーム「DIASCOPE」を標準搭載し、オペレータの作業効率を高めた。豊富なパッケージオプションによるカスタマイズも可能だ。
(2021年11月10日号掲載)