山善が主力海外メーカーの会合、4回目の総会
- 投稿日時
- 2025/12/08 09:00
- 更新日時
- 2025/12/08 09:00
海外事業、27年度に売上1200億円へ
山善は10月29日、生産財事業の海外向け主力メーカーで組織する山善海外メーカー顧問会の第4回総会を大阪市内で開いた。山善は海外の支社長・現法長16人全員が参加し、メーカー各社の経営トップらを前に海外事業の戦略を語った。
冒頭に星真副会長(=ブラザー工業専務執行役員)が登壇。「(山善の)統合報告書に『徹底的にやり切る 海外事業売上高 1200億円への道筋』という題のCEOメッセージが載っていた。戦略の中核に海外事業を置くという非常に強力なメッセージだ」と述べた。
山善・岸田貢司社長は今年4月に機械・産業ソリューション・ツール&エンジニアリング事業部の海外部門を切り出し、海外事業部を発足させた狙いを説明。「変化のスピードに対応するには海外を切り出し、新たな組織を作り戦略を変えて進まなければならないと感じた。海外事業は大きく4つの方向性を掲げている。経営の現地化、ターゲット市場の地理的拡大と、変化する業態に対応する組織づくり、仕入れ先メーカー様との強い関係構築だ。現地法人責任者の権限と能力を高め、様々な業態に対応できるような海外事業を進めたい」
山善・海外事業部の中田公也事業部長は売上目標や戦略を発表。「今期、海外事業は売上950億円を目指す。27年度には売上1200億円、将来的には2000億円を達成する覚悟で進んでいく」とする。
そのために拠点の拡充を重視。「海外環境は変化が常態化しているが、山善はモノづくりあるところを網羅する圧倒的なネットワークを確立し、営業、エンジニアを置いてお客様に寄り添う。(これにより)どのエリアが良く・悪くなってもうまく対応していく。変化の中で生まれる新たなビジネスチャンスを確実にものにする体制を整え、皆様と共に未来を切拓いていく」
実際に昨年には台湾南部の高雄に営業拠点を設置、今年2月にトルコに支店を開設し、4月にメキシコ北部モンテレイに拠点を新設、インドは今年3拠点を新設した。他にも直近1年間で拠点の新設・拡充が相次いだが、今後もフィリピンに初のショールームを開設、ベトナム・ホーチミンにテクニカルセンターを移転拡張する予定だ。「一気に各地へ拠点を展開し、エンジニアリング力を強化している」と力を込める。
技術力の強化には、設備単体ではなくソリューション提案を行うことで受注の確度を高める狙いがある。例として中国支社でMES(製造実行システム)を起点としたスマートファクトリー提案を進めていることを紹介。「この動きをグローバルに横展開したい」とする。
同時に半導体など成長分野の開拓も推進中。「EC、サブスク、M&Aを含めた新たなビジネスの創出にも挑戦する」と語った。
(日本物流新聞2025年11月25日号掲載)