25年3月期に売上高500億円へ
岡本工作機械製作所は2月初旬、昨年に続き代理店会「PSG会支部連絡会」を東部(6日)、西部(8日)、中部(9日)で開き、それぞれ約110人、100人、100人が出席した。連絡会は年に一度、同社の新製品・技術や業界動向を伝えている。
同社の2022年度の受注額は375億円(うち工作機械150億円、半導体関連115億円)と過去最高を見込んでいる。EVや半導体向けの門形研削盤がこの1年間好調(20年比で220%)のためだ。だが、前中期経営計画での380億円は未達となりそうだ。石井常路社長は「この未達をリベンジすべく新中計『「創」lution2025』の最終年度となる25年3月期に売上高500億円、営業利益は12%の60億円を目指す。研削・研磨の可能性を追求し、ソリューションサービスを総合的にユーザー様に提供していく」とし、「研削盤のリーディングカンパニーとして今後もロボットを活用した長時間自動運転などAI、IoTを加味した新しい研削盤を提供していく」と話した。
新製品についても触れた。オーバーハングレス構造によって長時間の精度安定・高い剛性を実現した門形の平面研削盤「PSG127CA-iQシリーズ」(砥石軸モーター馬力は従来の2倍の標準15kW)や短時間の機上測定によりエアーカット領域を削減する「MAP研削システム」、可動式ロボットシステム「GRIND-SELF」(技研が製作)を活用したワーク投入・加工・取外しの自動化を映像を交えて紹介した。これらは幕張メッセで3月8日から開かれるGrindig Technology Japan 2023に出品予定。
特別講演では伊藤暁常務執行役員(技術開発本部長)が「半導体立国復活へのシナリオ」と題して垂直統合・水平分業型生産のメリットとデメリット、高密度集積回路を構成する半導体素子を紹介。またF-X(日本の航空自衛隊の次期主力戦闘機導入計画)にも触れ、「IHIが開発している高温に耐えうるエンジン製造の技術は自動車や軽合金の製造にも生かせる」と話した。
(2023年2月25日号掲載)