一般ワイヤでコスト抑える
ダイヘンは、アルミニウム合金と亜鉛めっき鋼板の異材接合ができるレーザ・アークハイブリッド溶接システムを発売した。車体軽量化を目的としたマルチマテリアル化が進む自動車構造部材向けの需要を見込む。価格はオープン。日本国内で提案を開始し、2020年度に10億円の販売達成を目指す。
ダイヘンのアルミ溶接用電流波形制御と古河電工のレーザ技術を組み合わせた。極低入熱でIMC(金属間化合物)を抑制しながら、十分な接合強度があるビード幅を形成する。
溶接材料には、アルミ溶接で一般的な5000系ワイヤを使用。融点や熱伝導率といった材料特性の違いで難しかった異材接合を可能にしただけでなく、リベット、接着剤、固相接合に比べて「ランニングコストでも優位性がある」(溶接機事業部企画部)とした。
スパッタ発生量を大幅に減らしたロボットシステム「シンクロフィード」、レーザ発振器(出力6キロワット)、専用トーチなどで構成する。「アーク溶接をベースとした異材接合技術なので、現状の溶接ラインで使用中の設備を流用できる。構造部材の形や生産工程を大きく変更することなく、部材をアルミに変えられる」という。
適用材料は、溶融亜鉛めっき鋼板、5000系アルミ(Al?Mg系)、6000系アルミ(Al?Mg‐Si系)で、今後は合金化溶融亜鉛めっき鋼板とアルミへ範囲を拡大する予定だ。
(2020年1月1日号掲載)