研磨ロボ3台展示
柳瀬は、東大阪市に大阪営業所の新社屋を完成させ、今秋から稼働を開始した。鉄骨造3階建てで、延床面積は439平方メートル。同社が取り扱う研磨ロボットの展示場を併設し、常設3台でワーク持ち込みによるテストにも対応する。

執務フロアは落ち着いた雰囲気に
これまで実機見学は兵庫県丹波市の本社で行うケースが多かったが、新社屋の完成により関西圏での対応力を高める。3階はセミナー室および会議室として整備し、取引先との情報共有や製品説明のほか、顧客との打ち合わせ、社内外の各種会合など、幅広い用途で活用する。大阪営業所の福吉則智所長は「自動化設備や新製品に実際に触れていただける機会を、継続的に設けていきたい」と話す。
同社の研磨ロボットは、オーストリア・FERROBOTICS社製のエンドエフェクタを採用。一定の押し付け圧を保持して研磨作業を自動化でき、ワークの段差や砥石摩耗に対しても約4ミリ秒で高速追従する。波打ちのあるワークにも対応し、ティーチングは始点と終点の設定のみと簡便だ。エンドエフェクタが軽量なため、可搬重量の小さい協働ロボットへの搭載も可能としている。

FERROBOTICS社製のエンドエフェクタは35.5㎜のストローク内で高速制御しながら一定の圧力を保って自動で研磨できる
溶接ロボットの普及や人手不足を背景に、溶接後工程である研磨作業の自動化ニーズは高まっているという。福吉所長は「溶接から研磨まで後工程を含めた一体的な自動化を求める声が強い」と話す。
また、執務フロアにはペンダントライトや植栽を配置し、社員の働きやすさを重視したオフィス環境を整えた。日常の業務効率や快適性の向上を主眼にしつつ、結果として人材確保の面でも好影響を期待する。

本社外観

大阪営業所の福吉則智所長
(日本物流新聞2025年12月25日号掲載)