難削材加工を高効率化
日進工具は新製品の無限コーティングプレミアムSUS用高能率「Z」エンドミルをメカトロテックジャパン(ポートメッセなごや)で披露し、11月に発売した。
共振現象を抑える不等分割・不等リードの採用により、びびり振動を抑制。ステンレス・鋼・チタンなどの難削材加工時の面質向上と工具寿命の飛躍的な向上を実現できる。また、刃部先端付近は大きなチップポケットを採用して切り屑排出性を高めつつ、後端付近は浅溝にしており、φ1~6ミリの小径工具でも高い剛性を確保した。底刃においても親刃と子刃に段差を設け、ドリリング時の切りくず形状をコントロールすることに成功している。さらに耐酸化温度が1300℃のコーティングプレミアムを施すことで、より安定した工具寿命を実現した。
同社では「小径の不等分割・不等リード工具はこれまで効果が出にくいと思われてきたが、難削材加工の概念を大きく変える画期的な製品に仕上がった。加工硬化によって折れやすいステンレス鋼の加工でも、ドリリング・横引き加工ともに加工を大幅に効率化できる」と自信をみせた。自社テスト加工ではφ1ミリ工具のSUS304・深さ1ミリの溝加工において、他社製と比べて、折損までの加工時間を3倍以上に高めた。
「Z」エンドミルのラインアップは、スクエアエンドミル「MSUSZ440」全62サイズ、ロングネックタイプ「MSUSZ440?LN」全33サイズ。
(2019年11月25日号掲載)