加工ワーク拡大、多品種少量対応へ
中村留精密工業はこのほど、ATC型複合加工機のフラッグシップモデル 「JX-200」を発表した。世界最小クラスのATC工具主軸「NT Smart Cube」を搭載しており、加工エリアを広く使うことが可能。作業のパフォーマンスを向上させている。
マイナス95度?95度までスイングする工具主軸と Y軸を持つ下タレットにより、幅広いワークに柔軟に対応。これらを組み合わせることで、L/R主軸での左右同時加工など様々な工法を可能にする。どの素材でも安定した加工を実現するために、新コラムも採用。これにより重心が最適化され、多方向から掛かる負荷に対する耐久性を担保。旋削から穴あけ、ギア加工、ミーリングなど、 1台の機械で様々な作業に対応できるモデルとなっている。
開発の背景には、様々な種類のワークを加工したいという顧客からの要望の増加がある。「材料に関係なく、安定的に精度良く良品を出せるATC型複合加工機」をコンセプトに設計。工具本数を増やすことで多品種少量生産に対応できるATC機を実現した。
中村匠吾社長は「JX-200 は『できない』を『できる』 に変えるATC型複合加工機。各部署で意見を出し合い、使いやすさと高い加工能力を兼ね備える機械を考えた。コラムやフレーム構造という内部のこだわりに加え、外観もシンプルかつスタイリッシュなデザインに仕立てた」とする。
価格は7000万円(税抜き、ATC80本・高精度ミル仕様・完品排出装置・表示灯などの仕様を含む)で、月に10台の販売を目指す。
(2022年6月25日号掲載)