カビ取り剤・ダニ対策・工場用手洗い洗剤
おうち時間の増加に対応し、これまで培ってきた工業用での実績を家庭用にも応用し、商品PRにも力を入れています?。
そう口にするのは、鈴木油脂工業(大阪市東淀川区下新庄1-8-23、TEL.06-6326-1118)の鈴木和哉取締役。工場向けなど業務用の本格派洗剤で知られる同社は、家庭でも手に取りやすい洗剤等の開発を進め、「工場向けから家庭向けまで本格仕様の商品を供給する体制を整えている」(同氏)。
家庭向けの主力のひとつが、カビ取り剤「カビトリバン」だ。「これまでPRに力をいれてこなかったためあまり知られていないが、一度使用してもらった人からのリピート率はとても高い」(同社の馬場慎司部長)という商品。
あきらめてきた頑固なカビにも効果が期待でき、一般的なカビ取り剤では効かないことの多いゴムパッキンや目地などにも効果があると評判のよう。ゼリー状のため、泡状のものよりカビのある箇所にしっかりととどまる。
好評につき、去る21年10月には、垂直面でも垂れないリキッドジェルスプレータイプ「カビトリバンリキッド」を新商品として投下した。扱いやすくすることで、手に取りやすい形にした。
家庭向けでは同年11月発売のダニ対策「ダニヨラン」も期待の新商品だ。
東南アジアで虫除けとして知られるザクロ果皮(植物由来成分)を用い、植物自体がもつ虫に対する忌避能力を活用することで、人体への影響が極めて少ない商品に。ザクロ果皮成分は口に入っても問題はないほどで、ニオイもほとんどしないため、子供やペットのいる家庭でも安心して導入できる。
一般的に市販されているダニよけ商品は効果が1カ月半程度。それに対して、本商品の効果は約6カ月持続し、「年に2回ほど対策してもらえればいい」(鈴木取締役)とのこと。
消費者に対する知名度では他の市販品に負けるが、「効果は他よりも明らかに強い」と馬場部長は自信をにじませる。「あえて機工ルートでも展開することで、販売チャネルの拡大を目指す」とする。
他方、主力の工業用でも新開発に抜かりはない。
工場などの現場での定番洗剤の「アロエローヤル」には新タイプを追加した。
「アロエローヤルエコ」がそう。これまでスクラブにはポリエチレンを用いてきたが、昨今の法規制や海洋プラスチック問題、マイクロプラスチック問題に対応するため、スクラブに天然素材のデンプンを用いた。今までよりも分解スピードが速い。一方で、スクラブのみの変更なため、洗浄力はこれまで通り。
新商品の連射で市場の開拓を狙う。
(2022年2月25日号掲載)