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イトーキ、AI予知保全システム26年1月発売

投稿日時
2025/12/01 09:00
更新日時
2025/12/01 09:00
左からイトーキ・設備機器事業本部 ソフトウェア設計課 課長の堤康次氏、同・常務執行役員 設備機器事業本部 本部長の中村元紀氏、同・代表取締役社長の湊宏司氏、日本オラクル・専務執行役員 クラウド事業統括の竹爪慎治氏、同・ストラテジック・クライアント統括ソーシャル・デザイン推進本部 本部長の井上憲氏

自動倉庫の「止まらない運用」実現

イトーキはシャトル式自動倉庫「システマストリーマーSAS-R」向けに、予知保全システムなどを搭載した保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」を来年1月に発売する。AI解析で故障兆候を把握・検知する予知保全システム「スマートメンテナンス」と遠隔で状況把握・復旧支援を行う「リモートメンテナンス」機能からなり、物流の「止まらない運用」を実現する。

新サービスはSASの主要部品の稼働データ(モーター負荷やベルト張力など)を収集し、AIが通常時との差異を検知して故障予兆を知らせる。データに基づく交換判断により、早過ぎ・遅過ぎの交換を防ぎ、保守コストや在庫の最適化を可能とする。

2024年問題による輸送力不足やECの拡大など、物流の重要性が増すとともに設備依存度が高まっており、SASは突発的な停止がサプライチェーン全体に影響を与えかねない「ミッションクリティカルな設備」となっている。一方で突発的なトラブルが起こった際、従来の事後保全や定期点検では原因追求の遅れや保守部品の欠品などによってダウンタイムが長くなるリスクがあったため、IoTAI・ビッグデータを活用した保守体系の刷新に踏み切った。同社・代表取締役社長の湊宏司氏はAI解析基盤に日本オラクルのデータベースを採用した理由についても「データハンドリングのエキスパートであることに加え、信頼性といえばオラクル様である」と述べた。

同社は中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」において設備機器・パブリック事業での保守ビジネスの確立を掲げる。具体的には売上に占める保守ビジネスの比率を現在の10%ほどから30%への引き上げを目指す。湊社長は「AIを経営の中核に据える」としており、今回発表した保守サービス提供はその一環。今後はグループのダルトンが手掛ける研究施設向け装置やオフィス空調など、他領域への展開も視野に入れる。

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(日本物流新聞20251125日号掲載)