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NKE、立体搬送コンベアモジュール

投稿日時
2025/01/06 09:00
更新日時
2025/01/06 09:00
立体搬送コンベアモジュールを調整する荒木悠平氏

搬送能力 従来方式の5倍以上

高低差のある搬送ラインをコンベア一台で連続搬送するNKEの「立体搬送コンベアモジュール」。通常は水平コンベア、リフター、水平コンベアという3つのユニットが必要だが一つのユニットで対応し、上下ストロークが最大の2㍍だった場合、「(条件によって)5倍以上の搬送能力」(同社)となるという。

同システムの開発者、新規開発部・新規開発グループ荒木悠平エキスパートは「大型物の搬送用では同様のシステムはあったが、搬送重量3㌔以下の小型部品用として、標準品はなかった」と話す。

■コストで失注の悔しさバネに開発

かつて、搬送設備一式の依頼を受け、従来のリフター方式で提案したところ、価格面で折り合いがつかず失注した。2022年、この悔しさを原動力に、トータルコストを下げられる、1駆動で水平、上下、水平の搬送を可能にするモジュールの開発に立ち上がった。

開発では、物を運ばないリターン側の部分でスラットがたるんでスムーズに動作しない問題の解決に苦労したほか「試作と並行して、複数のお客様に需要のリサーチを進めたところ、こちらの予想していなかった使い方のご要望をいただき、それに対応できるように基本的な構造から見直すということが何度もあった」(荒木氏)と振り返る。

紆余曲折を経て、昨年12月に受注を開始。これまで人手で対応している現場、リフター方式からの変更、斜め搬送を垂直搬送にしての省スペース化など様々な問い合わせが来ている。荒木氏は「特注対応が可能な点もセールスポイントだ。ワークが滑り落ちる心配があれば落下防止の壁を追加したり、人と機械が近い現場であれば安全カバーを追加したりなど臨機応変に対応する」とし、「高低差のある搬送ラインでお使いいただける場面が多々ある。まずはお気軽にお問い合わせいただき現場を見せていただければ」と力を込めた。

(日本物流新聞20241225日号掲載)