精度と生産性高めた5軸制御横形MC
DMG森精機は9月20日、高精度5軸制御横形マシニングセンタ「INH 63 /INH 80」を発表した。
「徹底的に熱変位対策を行い機械の姿勢変化を抑制した」(同社)という同機種は、フルクローズドループ制御の内製リニアガイド『Smart SCALE』を全軸に標準搭載し、長時間にわたる高い位置決め精度を実現。加えて全軸にツインボールねじを採用しスラントコラム構造と組み合わせ、振動抑制と機械剛性を向上させた。
欧州標準の400V仕様により、主軸最大トルク808N・mの高剛性主軸「powerMASTER」を搭載し、重切削加工から高速加工まで対応。従来機に比べ切削能力が65%向上する。
既存設備の横形マシニングセンタを活かしながらINHと組み合わせた自動化システムの構築も可能で、幅広いワークを一つの自動化システムで生産できる。最大363本の工具が収納可能な大容量マガジンや最大4000本対応の自動化システムCTS(いずれもオプション)、新開発の省エネ・省スペースの立型大容量クーラントタンク「zero sludge COOLANT pro」により長時間の連続・無人稼働を可能にする。
また、新操作盤「ERGO line X with CELOS X」を標準搭載。タッチパネルとハードキーを融合した液晶付きボタンは操作ミスを防ぎ、作業性を向上する。
「2006年から16年まで経営に関わってきたスイスDIXI MACHINESの高精度機械の製造技術と、DMG MORIドイツで培った5軸加工のノウハウ及び最新技術、日本の主要要素の内製化による高い信頼性を集結し開発した」(同社)
主な市場は航空・宇宙、半導体、医療、産業機器、EVや金型など。販売価格はINH63が1億2千万円、INH80が1億4620万円(いずれも税抜き)。
(2023年9月30日号掲載)