設備向けフッ素樹脂テープ
住友電気工業は、従来のフッ素樹脂(PTFE)テープに比べ、約1000倍の耐摩耗性を備えた「架橋フッ素樹脂FEXテープ」を開発した。12月のサンプル出荷開始を経て、2022年4月に発売する予定だ。
架橋フッ素樹脂FEXは、フッ素加工技術と電子線照射技術を駆使した製品として、2012年に開発した。基材との接着力強化や耐久性向上といった特長を生かし、自動車、OA機器、半導体、医療関係などのコーティングに活用されている。
今回開発したテープは、対象物に貼り付けるだけでFEXの耐摩耗性を手軽に利用できる点を売りとした。設備機器に使用することで、摩耗や剥離による部品・テープの交換が不要となるため、寿命延長、メンテナンスの回数低減、傷付き防止などの効果が得られる。
高い滑り性による機器への負担軽減もメリットに挙げる。住友電気工業によれば、「耐摩耗性の向上は摩耗カスの減少にもつながる環境にやさしい製品となっている」という。
フッ素樹脂テープに代わる製品として、量産体制を整えた。2023年の売上見込額は約1億円。「環境配慮が求められる社会において、FEXテープが活躍する場面は今後一層増えると想定している」とコメントした。
(2021年12月25日号掲載)