工場設備の予知保全や安全管理に
京セラは10月5日、心拍や呼吸、機械振動などの微細な振動を高精度で検知できる「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」の開発を発表した。低ノイズのミリ波センサにより、マイクロメートル単位の振動を非接触で高精度に検知・抽出することができる。これにより、日々のヘルスケア、見守りシステムが実現できるほか、工場内の機械などの異常を検知するIoTセンシングシステムなど幅広い用途で活用できる。
同社が培ってきた独自の材料と高精度な基板製造技術による低損失のミリ波基盤で、微細な振動を逃さずとらえる。加えて、通信機器事業で培った高度な統計的信号処理技術により、非接触・高精度・拡張性といった特長を実現した。
高精度の振動検知能力により、人の心拍や呼吸だけでなく、動作検知(モーション検知)、および工場内の機械やロボット、切削工具の異常なども検知・抽出できる。職場での高機能人感センサとしても使用可能。作業員の転倒検知など安全管理に使用でき、プライバシーを損なうことなく見守りができる。
「本システムの活用により、健康管理や労働現場での省人化、事故防止など社会課題の解決に貢献できる。今後は各社と実証実験を重ね、早期の社会実装を目指す。2023年にはサンプル出荷を行う予定」(同社)
(2022年11月10日号掲載)