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セレンディクス、世界初の3Dプリンター駅舎が和歌山に誕生

投稿日時
2025/07/29 09:41
更新日時
2025/07/29 09:43

2時間で躯体組み上げ

セレンディクスは資本業務提携先のJR西日本グループと共同で、JR紀勢本線「初島駅」(和歌山県有田市)の駅舎を世界で初めて3Dプリンター技術を用いて建設した。3Dプリンターで出力した躯体を約2時間で組み上げて326日に駅舎の建築が完了。722日から駅舎の利用が開始されている。

初島駅は1948年に竣工した木造駅舎で運用してきたが、現在は無人駅となっており、駅舎の老朽化に伴う保守コストや維持管理の効率化が課題となっていた。新駅舎は面積9.9㎡、鉄筋コンクリート造の平屋建て。2人掛けのベンチのほか券売機と簡易ICカード改札機を備えており、壁面には3Dプリンターの特徴である積層痕を活かして、有田市の名産である「みかん」と「たちうお」をモチーフにした装飾を施した。

駅舎の部材は熊本県水俣市の協力工場で建設用3Dプリンターを使い、専用の特殊モルタルをロボットアームの先のノズルから吐出して出力した。プリンターで出力したパーツは内部に鉄筋とコンクリートを流し込み一体化させ、強度を向上させている。製造には7日かかり、完成した合計4つのパーツをトラックで現地に輸送。325日午後1157分の最終列車出発後にJR側で線路に列車が進入しないようにする手続きを実施した後に作業を始め、約2時間で組み上げ工程を完了した。26日午前5時には作業を終了し、終電から始発までに予定していた全ての工程を終えることができたという。

セレンディクスは日本初の3Dプリンター住宅メーカー。20223月にファーストモデルである「serendix10(セレンディクス・テン)」を作業延べ23時間で完成させて以来、3Dプリンターによる建設技術の開発と実用化を推進。20245月にはJR西日本グループと資本業務提携を締結し、鉄道施設への技術応用を進めていた。

セレン01.jpg

Dプリンターで壁パーツを出力する様子(熊本県・水俣市)