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鹿島、現場ロボ工法開発

超狭開先の溶接可能に

 鹿島は、超狭開先(開先角度0?5度)に対応する現場溶接ロボット工法を開発した。実工事に適用した結果、通常開先(35度)用の工法に比べ、溶接歪みを40?70%に抑制できるうえ、1日あたりの溶接箇所を約10%増やせることを確認したという。
 汎用可搬型現場溶接ロボットの開先形状のセンシング機能を活用した。JFEスチール協力のもと、スパッタとヒュームの発生を抑えながら、安定した深溶け込みが得られる溶接技術「J?STAR」を採用。先端曲がりチップと組み合わせることで、ほぼ平行の開先を12パスで積み上げて溶接できるようにした。
 通常開先と比べて、溶接断面を30?70%削減できるため、板厚が厚くなるほど溶接時間を減らせるのも特長。溶接の熱に伴う部材の縮みや変形を抑え、品質向上と溶接時の温度管理を効率化した。
 首都圏で建設中のオフィスビル6フロアの梁上フランジの下向溶接358カ所に適用したところ、「品質面と溶接効率の向上を確認した」という。今後、効果が得られやすい厚板の溶接に積極的に採用する考えだ。

2021425日号掲載)