ピカコーポレイションの新製品可搬式荷物用昇降台H「LA-ADC」用の集中コントローラー「HLA-CC1」は、最大8台までの同昇降台を同時操作、制御する。例えば4台接続すれば長尺物のダクトや装飾トラスなどの設置組立も、より容易かつより安全に行える。これまでなかった製品とあって、イベント業者を中心に大きな話題になっている。
以前は、イベント業者がトラスを設置しようとすると手動操作の昇降台を4台使用し、ウインチを手で回して上昇させて設置していた。この場合4人の操作者が必要で、掛け声をかけながらタイミングを合わせて作業するなど効率が悪かった。また誰か一人休んで、4人そろわないと昇降すらできないことも。
同集中コントローラーを使用すればより少ない人数で作業が可能となる。また昇降台から離れて作業できるので、万が一の落下時でも旧来型の作業フローより安全性が高い。
昇降作業台開発チームの安藤敬氏は「もともとは手動操作だった可搬式荷物用昇降台を何とか電動操作に出来ないかというユーザーからの要望で開発した」とする。荷揚げや、運搬に便利な、業界初の屋内用電動操作リフト「HLA-ADC」シリーズを開発し2020年12月に発売。現在、同製品はリフト(最大)高さ3・01?bから7・37?bまで、4つのバリエーションをラインナップしている。
集中コントローラーは23年9月より発売。「HLA-ADCの性能を損なわず、操作ケーブルをつなぐだけで複数台を連動させる点に苦労した。またHLA-ADCから、USBのように操作ケーブルを利用して集中コントローラーに電気を供給するので、電源が不要な点も特長だ」(同)と話す。
集中コントローラーで、各HLA-ADCの「上昇」、「下降」、「停止」の動作選択が可能。接続した番号のランプが切替スイッチ上昇で赤色、下降で緑色に点灯する為、視覚的に分かり易くなっている。
■マテハンや 鉄骨などに応用も
集中コントローラーの操作ボタンを押すと、接続した番号のリフトが切替スイッチランプ点灯の方向へ同時に昇降する(切替スイッチが中央の場合はランプ消灯し、動作停止のままで動かない)。
集中コントローラーで同時操作をしても、各製品は最上昇位置、最下降位置で自動的に停止するので、大きさの違うHLA-ADCでも作業できる。
1つの操作ボタンで、動作選択したすべてのHLA-ADCの昇降が可能。また万が一に備え、非常停止ボタンが付いている。
「イベント業者へのリース会社を手始めに、マテハンへの活用も視野に入れている。また複数台同時に動かせる強みを生かし長尺もの、例えば角パイプや鉄骨の昇降、そのまま取付作業といったことも考えられる」(同)とした。なおHLA-ADCの最大使用質量は245?`となる。
(2024年5月25日号掲載)