1. トップページ
  2. ニュース
  3. キャノンMJ、8、4インチの高速・高精細ラベルプリンター

キャノンMJ、8、4インチの高速・高精細ラベルプリンター

投稿日時
2025/11/04 09:00
更新日時
2025/11/04 09:00
カラーラベルプリンター「LG-P800」。8インチ幅まで対応するため、ドラム缶などに貼る大型ラベルも印刷可能

化粧ラベルの内製化・多品種小量対応を支援

キヤノンマーケティングジャパングループ(キヤノンMJ)は10月15日、カラーラベルプリンターの新機種を13年ぶりに発表した。8インチ幅対応の高画質モデル「LG-P800」と、4インチ幅対応の高速印刷モデル「LX-D400」の2機種で、従来から引き合いの多かった工場や倉庫の現品票やかんばんだけでなく、商品化粧ラベルなど訴求がし切れていなかった領域にも提案を強化していきたい考えだ。

LG-P800は大判印刷に対応するだけでなく、ワックス成分を配合した新開発の顔料インクを採用。高精細・高画質印刷を実現するだけでなく、擦過耐性や耐水性を高めた。14日に行われた報道向けの説明会では朝から水に浸したラベルに滲みや色落ちが無いことを確認。「外置きの化学品容器のGHSラベルや、結露による滲みが心配される冷凍食品向けラベルなどにも対応できる」(同社担当者)とみる。

使い勝手も見直した。300㍉リットルの大容量インクタンクやサブタンクを活用した印刷中もインクタンクを交換できる機能などによりダウンタイムの発生を防止。インク吐出をセンサーで検知し、ノズルの目詰まりを検知すると、別のノズルで目詰まり部をバックアップする機能により、白スジなどのプリントミスを抑制。インクタンクやロール紙、メンテナンスカートリッジの交換など、基本的なメンテナンス業務がすべて前面で行える仕様のため、設置スペースが限られる現場にも導入しやすい。

一方LX-D400は最大印刷速度毎秒330㍉(従来機は同220㍉)の高速カラー印刷を実現。頻繁な商品入れ替えや情報更新に迅速に対応できる。染料インクにより視認性を重視し、また4.3インチタッチパネルによる操作性を追求。加えて、オプションのRFIDユニットを用い、印刷と同時にRFIDデータ書き込みを行う機能も備える。商品化粧ラベルや現品票のほか、医療機関のSPDラベルや食札などでの活用を見込む。

報道向け説明会に出席した同社・マーケティング統括部門 ビジネスプロダクトマーケティング部門 プリンティング企画本部 インクジェットプリンタ企画部 部長の小森祥秀氏は「法人向けのラベルプリンター市場は堅調に伸びている。加えて、多品種小ロットの商品ニーズに対応するため内製化したいといったご要望も増えてきたことを受け、13年ぶりの発表となった。本当に力を入れた商品」とコメント。

モノクロでなくカラープリンターの活用を勧める理由として、開発を担当した同企画部 SFP企画課 主管 松本晃氏は「視認性が高いことに加えて、モノクロのプリンターを活用している現場でカラーラベルを活用したい場合、カラー部をプレ印刷したラベルを在庫し、可変情報を都度モノクロで印刷するのが一般的。カラーラベルプリンターを使えば無地の用紙を用意するだけ。ラベル在庫の削減や納期の短縮、多品種小ロット対応がしやすい」と説明する。

写真_キャノン2.jpg

カラーラベルプリンター「LX-D400」は高速印刷が特長

価格(参考、税別)はLG-P800が55万円(10月15日発売)、LX-D400が70万円(12月発売予定)。

(日本物流新聞2025年10月25日号掲載)