食品工場スマート化総合展、第2回目開催
- 投稿日時
- 2024/11/21 18:00
- 更新日時
- 2024/11/21 18:00
省人化と品質の安定に重点あてた展示並ぶ
第2回目となる食品工場スマート化総合展が、10月16~18日にインテックス大阪で開催した。同展は関西最大級の食品関連の専門展ファベックス関西と同時開催で、食品安全や省力化を実現する機器やサービスを展示する。会場では食品の製造加工や安全管理、搬送、設備機器やIoTなどを通して業務改善に役立つ製品やサービスが並んだ。
フツパーは自社開発のAIによる外観検査・品質管理ソリューションを提案した。出荷前の外観検査をターゲットにした「メキキバイト」は、焼きムラや形状不良、焦げや異物を検知して不良品の排除までをワンストップ対応する焼き菓子ラインを展示。検品に特化した独自のアーキテクチャを搭載し、安定的かつ高精度で検出できる。「従来の画像処理センサーでは難しかった、あいまいな判定や個体差のある食品の判定にも有効。人によって基準が変わることもなく、見落としもない」(ビジネス開発本部 西日本営業部川原進也部長)と語る。製造業向けシステムをメインとする同社だが、「当社のお客様は社数で数えると食品関連が全体の半分に上る。ベースとなる重要な市場」とし、「小規模から大規模の事業者まで幅広く引き合いがあり、ニーズとしてはオペレーターの省人化や品質の安定化が多い」と言う。
北海道ブースでは、北海道内の食品機械関連企業をPRした。食品機械メーカーのニュートラルは食パンやカステラのマルチスライサーを紹介。厚切りから薄切りまで、パネル操作でスライス幅を変更できる。「刃枠を交換せずにスライスピッチを変更できるレシプロスライサーはおそらく世界初」(中川健司代表取締役)とし「米や欧州ではすでに受け入れられており、最近では台湾やインドから引き合いがあった。これからさらなる海外販路を見込む。今展でも先ほど関西のお客様と成約したところ」と注目の高さをうかがわせた。「従来スライスパターンごとに必要だった刃枠が不要となり、作業効率も上がる。また刃枠交換しないため機械精度を出せ、スライス面が非常にきれい」と自信を見せる。
井上は、せんべいの割れや欠け、袋のしわなど不良品を排出する自社開発によるAI画像検査システム「Deep i」をデモ出品した。Deep iは高速物体検出の特性を用いた物体トラッキングと、複数時点画像による不良判定機能を搭載、特許を取得している。センサー通過時だけでなく、一定の画角内で複数回の判定が行え、移動、回転する物体の全数検査が可能。「球体を転がしながら全面検査する多角視点での検査ができる。栽培しているブドウの粒の数量のカウントなどができ、味の品質を保てる」(チーム技術 奥田竜彦氏)。
(日本物流新聞11月10日号掲載)