耐びびり性高めたボーリングバーも
京セラは4月21日、複数の工具を市場投入した。
「MB45」は長寿命や経済性など様々な要素を高めた切込み角45度の汎用フライスカッタ。チップは新たなPVDコーティング採用の新材種を中心に様々な材種を用意し、「ポジチップ並み」という低抵抗と高い耐欠損性を備える両面8コーナ仕様を4種類ラインアップする。低抵抗でBT30の小型機に向く「SM型」や、荒~仕上げ加工まで対応する汎用の「GM型」などを揃え、鋼やステンレス鋼、耐熱合金、アルミ合金など多様な被削材に対応する。
チップには主切れ刃を2つ設け、被削材への食いつき時や抜け際の衝撃や振動を抑制。スムーズな加工を実現する。ロング円弧形状のさらい刃で送りのつなぎ目を小さくし、直線さらい刃の一般的なチップと比べ仕上げ面をなめらかにできる。ホルダはクーラントホールの穴位置や構造を最適化して切りくずの排出性を高めており、これも仕上げ面の美しさにつながるという。
一方、同日発売した「KAVシリーズ」は、ヘッド交換式の防振機構内蔵ボーリングバー。内蔵した独自のダンパーで振動を減衰し、従来の超硬シャンクタイプよりも防振性能を高めた。φ32、突出し量10Dの深穴加工の場合、「他社の防振タイプではびびりで加工が困難だったが、KAVシリーズは表面粗さ1.5?メートルRaの安定加工を実現した」という。
ヘッドは交換式で、内径加工や内径倣い、奥端面加工に対応。印字された基準線とシャンクを合わせるだけで刃先位置を調整できる専用スリーブも用意した。これにより段取り時間の短縮につなげられる。
(2023年5月15日号掲載)