牧野フライス製作所、脆性材向けの新グラインダ
- 投稿日時
- 2021/01/26 13:25
- 更新日時
- 2024/08/19 13:21
工具寿命も加工速度も3倍に
牧野フライス製作所は立形マシニングセンタ「eGRINDER BG500」(=写真)を11月12日発売した。炭化ケイ素(SiC)、ガラスなどの脆性材の加工の高効率化ニーズに応える加工機。製品コンセプトに「加工速度3倍」×「工具寿命3倍」(Three× Three Concept)を掲げており、同社では「加工効率を高めながら、砥石工具の寿命や精度の向上を実現できる」という。出荷開始は21年3月の予定で、年間販売計画は60台。国内定価(税別)は5200万円。軸移動量はX600×Y500×Z300mm、最大積載質量は300キロ。
脆性材加工は従来、砥石工具の測定や摩耗管理といった工程を職人の手作業に頼らざるを得ないことが大きな課題となっていた。この課題の解決に向け、BG500では「電着砥石測定システム」を搭載。砥石工具を機上計測し、摩耗度の見える化と閾値設定による標準化などにより、工具摩耗管理までも自動化できるようにした。
微細精密加工機「iQ」をベースにした信頼性に優れた構造を採用し、全軸リニアモータ駆動により高速・高応答及び高精度位置決めを実現する。毎分3万回転の主軸は従来比2~3倍に回転速度を高速化でき、微小穴(φ0.3)の高速加工に対応できる。また、新制御技術「GI?Grinding」により、研削加工における高速・高精度加工と工具寿命を向上させる最適送り制御を実現した。3MPa仕様の高圧スルースピンドルクーラントで加工スラッジの排出性も高めた。
同社では「BG500は脆性材加工の高精度・微細化かつ安定大量生産のニーズに応えられる。爆発的な需要増が想定される5G関連、車の自動運転や電動化などに使用される半導体、医療関連などの加工で市場性が大きい」という。
(2021年1月25日号掲載)