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トルンプ、世界市場減速も国内2桁成長

投稿日時
2025/11/18 09:00
更新日時
2025/11/18 09:00
代表取締役社長のザムトレーベン・マイケル氏(左)とエレクトロニクス事業部 事業部長のクルーゼ・ガブリエル氏。説明会ではラピダスに納入されたASML製のEUV露光装置にも製品が活用されていることを明かした

半導体向け電源がけん引

トルンプは1029日、都内で報道陣向けの事業説明会を開いた。世界情勢の不透明感などにより、グローバルの売上は2024-25年度(7-6月)で前年度比16%減の43億ユーロ、受注高も7.2%減の42億ユーロとなった。対照的に日本市場は2桁成長を続け、昨年日本法人の代表取締役社長に就任したザムトレーベン・マイケル氏は「ここ数年取り組んできた戦略が実を結び、非常に良い成績がでている」と手応えを語った。

成長をけん引しているのが、半導体製造装置に組み込まれるプラズマ電源などを手掛けるエレクトロニクス事業だ。23年に開催した事業説明会では2割程度と説明していた事業構成比率は4割程度まで成長し、「売上規模を5年以内にマシン事業と同程度に高める」の目標がすぐそこまで近づいた。

「日本国内では特に薄膜形成とエッチング領域で活用が進んでいる。一方で、当社の製品は半導体プロセスの多くの工程ごとに適した製品を用意している。加えて、その中には近年関心が高まっている省エネに対応した製品などがあり、顧客のビジネスに応じて提案できるのが強み。他の領域にも提案を広げていきたい」(エレクトロニクス事業部 事業部長のクルーゼ・ガブリエル氏)

一方、主力の板金加工機事業は、為替の影響により「価格では競合他社に勝つことはできない」ものの成長を続けている。成長の背景にあるのがソフトウェアだ。ザムトレーベン氏はソフトの機能や信頼性が同社製品の差別化ポイントになると説明。「日本の製造業は機械同士をネットワークで繋ぐスマートファクトリー化に遅れがある。特に中小企業では顕著。ソフトは効果が見えにくいのが課題であるため、透明性を高めた提案を進めている」とする。



(日本物流新聞20251110日号掲載)