川崎重工×エアバス、水素利用促進共同調査
- 投稿日時
- 2022/05/09 09:00
- 更新日時
- 2024/08/19 13:22
空港をハブとした供給網構築を目指す
川崎重工業と欧州航空機大手エアバスの日本法人は4月12日、空港を拠点とした水素サプライチェーン構築に向けた調査を共同で進めることを発表した。来年2月までに水素を生産地から航空機へ輸送するための技術やコスト面での課題を整理し、航空機の水素利用に必要な政策提言とロードマップの作成を目指す。
川崎重工はこれまでにも水素商用化に向けたインフラ整備に取り組んでおり、3月には日豪間の液化水素輸送の技術実証を成功させた。同社の西村元彦執行役員は電動化が困難な航空機には水素燃料が最適であるとの考えを示し、「『Hydrogen Road(水素の道)』の到着点のひとつとして、空港は航空機、鉄道、長距離バス、トラック、旅客船、港内貨物輸送トレーラー等が集まる水素利用の1大集積地であり、カーボンニュートラルの重要な拠点となることが期待される」と述べた。
エアバスは50年までに航空機の運行におけるCO2排出実質ゼロを実現するため、35年までに水素燃料を動力源とするゼロエミッション航空機の市場投入を目指している。そのためにも、エアバス・ジャパンのステファン・ジヌー代表取締役は「水素航空機の実現と普及には空港における水素インフラ構築が必須である」との考えを示し、この度のパートナーシップの可能性に期待を寄せた。
(2022年4月25日号掲載)